788212 ランダム
 ホーム | 日記 | プロフィール 【フォローする】 【ログイン】

秋葉の街のオタクマスター

秋葉の街のオタクマスター

【毎日開催】
15記事にいいね!で1ポイント
10秒滞在
いいね! --/--
おめでとうございます!
ミッションを達成しました。
※「ポイントを獲得する」ボタンを押すと広告が表示されます。
x

PR

キーワードサーチ

▼キーワード検索

カレンダー

フリーページ

2012年07月26日
XML
傑作は多くの駄作が許されるジャンルからしか生まれないと信じている、秋葉原愛好家です。
(と言うか、傑作ばかりしかないジャンルなんて、気味悪いよ)

細田守監督は押井守監督と似た道を歩んでいる気がするのです。

まずタイムリープもので高評価を得(細田守監督の「時をかける少女」、押井守監督の「うる星やつら ビューティフルドリーマー」)、

次にコンピューター犯罪をねたにした娯楽作品をつくり(細田守監督の「サマーウォーズ」、押井守監督の「機動警察パトレイバー 劇場版」)、

そうすると、細田守監督の新作「おおかみこどもの雨と雪」は、押井守監督の「パトレイバー2 劇場版」のような、客を選ぶ作品となるのでしょうか?

結論から言えば、ある意味では、そのとおりでした。

おおかみおとこ、というファンタジーを入れてはいますが、ようは子育てアニメです。

なるべく多くの人に伝わるように、おおよその雰囲気を伝えるなら、「おもひでぽろぽろ」と「となりのトトロ」を7:3で混ぜて、独自のフレーバーを加えたカクテルといったところでしょうか。

同じ監督の作品とはいえ、デジモンアドベンチャー・・・もといサマーウォーズのような気楽に楽しめる爽快感あるアニメとは、だいぶ違います。

映像は圧倒的に美しく、キャラクターの絵の演技は自然で、こういう作品をつくれるのはジブリだけじゃないんだぜ、という監督の声が聞こえてきそうです。

ストーリーは、前述のように、おおかみおとこと結ばれた花(たぶん主人公)が、生まれた子供達を、おおかみこどもであることを隠しながら、育てていくお話。

ただ、角度を変えてみれば、これは典型的な娯楽作品ともいえます。

どちらかといえば、北斗の拳のような。

超人的な強さをほこるケンシロウが悪党をばったばったとなぎ倒すがごとく、花は超人的な子育てをして、その困難をばったばったと乗り越えていくのですから。


ここからちょっとネタバレ。





そもそも、花が雪(姉)と雨(弟)を産むときは、自宅出産ですよ。

病院で、おおかみの姿でうまれたらえらいこっちゃ、というわけで。

しかし、近くに自宅出産の助言をしてくれるような人もいず、知識は本のみ。

医療が発達&普及する以前のお産の危険性を考えれば、これは正しく命がけ。

子供が病気になっても、動物病院か小児科かで右往左往して、結局自分で対処。

すぐにおおかみの姿にもなる雪と雨は、だから、へたに外に連れ出せず、定期健診もうけさせず、幼児虐待じゃないかと民生委員(だったかな?)に疑われる始末。

途中で夫の「彼」は天に召されるし。

逃げるように田舎暮らしをはじめて、サツキとメイの家が豪邸に思えるほどのボロ民家を再生させ、村の人の協力があるとはいえ、作物を自作し・・・

しかも、おおかみこどもの育て方なんて、手本もマニュアルも無いのですよ。

そんな中、子育てをやりとげる、これを超人的と言わずになんとする。

日常現実を描いているようなシーンにだまされちゃいけません。

人類の99%に花の真似は、たぶんムリです。

そういう超人の活躍を見せるアニメと考えれば、ある意味、典型的娯楽作と言えなくもない。

だた、ちょっと気になるシーンも。

冬の川に落ちておぼれた雪。

その後「雪が変わった」というナレーションが入るのですが、あんまり変わったように見えんのですよ。

雪を変えたのは、その後の「先生」と彼が呼ぶ狐との出会いですよね。

また、花は当初「わずかな貯金」で暮らしているとしていますが、それで田舎へ引越し民家を修理し、おそらくは1年~2年を二人の子供をつれて生活するってムリがないですか?とか。

ま、そういう細かいつっこみを無視したほうが楽しめる、という意味では、確かに娯楽作かも。

子育てという誰もが納得する正解の無いモノだけに、次の展開が読めないという、エンターテイメントの条件も満たしていますし。

ただ、やっぱり客は選びます。

子育てアニメなんて、やっぱり中学生以下にはおもしろくないだろうし、今まさに子育て奮戦中の方は、アニメでまで子育ての苦労を見たくないだろうし。

声優がほとんど本職が採用されていない点は、アニメファンには、うーんだろうし。

なんかね、世間に注目される作品ほど本職の声優が使われないってのは、悪習だと思うのよ。

Jリーグではサッカー選手が活躍するが、ワールドカップになるとなぜかラグビー選手がサッカー場に呼ばれるようなもので。

たとえ、いい結果が出るにしても、こういうのは正統派じゃないし、長期的にはサッカー界にはマイナスでしょう。

たぶん、アニメでも同じではないかと。

ともあれ、完成度が高いのは確か。

そして、この流れで行くと、細田守監督の次回作は、サイバーパンクものですかね。

押井守監督の「攻殻機動隊 GHOST IN THE SHELL」のごとき。


 おおかみこどもの雨と雪 (文庫) (文庫) / 細田守





お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう

最終更新日  2012年07月26日 22時15分16秒
コメント(0) | コメントを書く
[アニメ・ゲーム・コミック] カテゴリの最新記事


お気に入りブログ

みかづき紅月の館 みかづき紅月さん
ケルトの夢 shimikotoshioriさん
ま、てきとうに Me162さん
DeepPineApple oboro2004さん
ハナスカ87 ハナスカ87さん

コメント新着

わぴこ@ はわ… き、気になる…! よんでみたくなっちゃう…
SHU@ Re:君はX68000を知っているか?(11/08) 去年X68000のイースが発売されてます。5イ…
匿名希望@ Re:ニンジャスレイヤー〜勘違いしているのは作者か我々か(01/17) コンプエース連載版は続けて読んでます。…
秋葉原愛好家@ Re[1]:初コミケ(12/29) 匿名希望さん、いつもありがとうございま…

© Rakuten Group, Inc.
X