TOEIC(R)990点満点 スコアアップナビゲーター　 　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　長田（おさだ）いづみのブログ

私が時代小説を読み始めたのは実はアメリカにいたころ。


人生の半分を外国で暮らすバイリンガルの友人が
「御宿かわせみ」

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を貸してくれたからだった。


当時、なぜ半分アメリカ人みたいな彼女が
この本をそんなに気に入っていたのか
すごく不思議だった。


今なら想像できる。



「私、日本語得意なのよ（”国語”ではない）」と笑う彼女、
時代小説は、日本人としてのアイデンティティを失わないための
彼女なりの砦だったのではないかと。



当時私は英語を勉強することに夢中になりすぎていた。
英語を真剣に勉強するために日本語を完全にシャットアウトしたり、
その後子供を育てるときに
英語ばかり重視していたこともあったけれど、
日本人として日本語をもっと磨かなければと思うようになったのは
彼女に時代小説を借りてから７、８年後。

宮部みゆきさんの時代小説も好きで、
よく読むようになった。




英検やＴＯＥＩＣのことばかり考えていると、
たまに時代小説が読みたくなる。


今回、英検が終わったら読もうと思っていたのは
「鬼平犯科帳」で

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これまで少しずつ読んではいたのだけれど
今回は図書館でありったけ（と言っても、途中ほかの方が借りている巻もあったが）
借りてきた。


夢中になって読み進めて２４巻を読み終わろうとしたとき。



「作者逝去のため未完」



という文章を見て胸がいっぱいに。
もっと先まで続くのかと思っていたよ。
なんと中途半端な。


「鬼平犯科帳」なんて、おじいさんが読むものだと思っていたのに（笑）
こんなに素晴らしい小説だったとは知らなかった。
ファンの嘆き、そして何より未完のまま終わらせなければならなかった
池波正太郎さんの無念さはいかばかりだったろうか。




ほかに好きなのは宇江佐真理さんの時代小説。
たくさん読んだけれど、今回の一押しは

「アラミスと呼ばれた女」

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戊辰戦争時代、実在したといわれる女性通詞（通訳）の
田島勝さんをモデルにした小説。


当時女性が政府の仕事をするなどとんでもないことで、
彼女は男装をして通詞として活躍する。

当然、歴史書の中には登場しない。


小説ももちろん良いのだけれど、
わずかな手がかりをもとにこの小説を書き上げた宇江佐さんの
あとがきの最後、もう涙が止まらない。


何より、田島勝の仕事を褒めてやりたいのだ。
あんたは凄い。あんたは立派だった。
テレビの女性アナウンサーが流暢な外国語を話すのを聞くとき、
私は決まって田島勝のことを思う。
女性が外国語を話すという先鞭をつけたのは、実に田島勝であったのだと。




その当時は女性が外国語を学ぶことにおいて
さまざまな障害があったことは容易に想像できる。


英語学習において、もう「つらい」と思うことは
あまりなくなった。
唯一つらいのは、1級のボキャビル。
つらいときは大先輩のことを思い出すのだ。
はるかに恵まれている私が頑張らなくてどうする、という気持ちで。




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