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テーマ:最近観た映画。(40126)
カテゴリ:映画感想
坂元裕二さんの脚本で是枝監督の作品と聞いた時から、早く観たいと待ち焦がれていました。 そうするうちに、カンヌで脚本賞ですって!うわっ凄っっ✨ そうなるといやが上にも期待が膨らみます。 昨日は1日がかりの用事があって行けず。 今日も午前と夕方以降に所用があったのですが、来週までなんてとても待ちきれない! お昼間の上映に、パートナーとイオンシネマへGO🚗 イオンシネマ、夫婦50割があって助かる〜😆 これまで近くの他の劇場で正規料金で観ていた私たち、なんてバカ…💦 そして、感想なのですが… ⚠️ネタバレになるので、未鑑賞の方は読まないでくださいね。 本当に、何の予備知識もなく観る方が良いです。絶対に。 一つだけ言うなら… 笑いの要素は皆無でした😅 これまで観てきた坂元先生のドラマ、軽妙洒脱でぽんぽん交わされるユーモアあふれる会話にクスッと笑わせてもらってきましたけど、それらとは180度違うテイストです。 … … … … … 痛いです。 痛くて重い。 観終わってからずっと、胸の奥にずっしりと重いものが残って離れません。 怪物、だーれだ。 こんなに視界って、一方向にしか見えないものなんだ。自分の主観でしか、世界を見ることができないんだ。 最初は本当に、母親の視点で、なんて酷い教師なんだ学校なんだって憤りに染まりました。 母親にとって、怪物は我が子を苛む教師であり、保身に走る学校組織だったのでしょう。 でも、本当は違った。 次には、なんでオレがこんな目に遭うんだって戸惑い、あまりの理不尽さに絶望感でいっぱいになりました。 教師の目には、嘘をつく子どもたち皆が、得体の知れない怪物に見えたことでしょう。 あるいは、本当のことはどうだっていいと嘘の謝罪を強制する学校組織か、ガールズバーにいたと好き勝手に噂を拡散させる世間か、世間を煽り立てるマスコミか。 でも、それも一面的な見方でしかなかった。 誰も知られない、誰にも知られたくない真実があった。 なんて残酷な子どもの世界。 あの教師に落ち度があったとしたら、それを苛めだと看破出来なかったことか。それとも、薄々気付きながら、知らないフリをしていたのか? 残酷な世界に気付かれないように、密やかに育まれた絆。 まるで、お互いの足りないピースを埋めるように。 怪物、だーれだ。 少年にとっては、自分の気持ちこそが、得体の知れない怪物に思えたのか。 不意に湧き起こった幼い性に動揺し、拒絶する。 相手の子はそれが何か知っている? であるなら、彼は父親から性的虐待も受けていたかもしれない。 口に出せない想いは、音にして空気を震わせるといい。 妖怪に似た不気味さを放っていた校長が、唯一、彼に寄り添えたという皮肉。 あのときだけ、優しい労りの眼差しで相手をまっすぐ見た、校長も心に怪物を飼い馴らしてきたのだろう。 散りばめられた謎のピースが、次々と嵌まって、そういうことだったのかと気付くたびに、心が痛くなる。 もっと自由に生きられたら、もっと縛られずに肯定できたら… 青空のもと、緑の中を走る泥だらけの二人が見せた、弾けるような笑顔の煌めきが眩しすぎて、そうか君たちは魂なんだねと唐突に気付きました。 カンパネルラに置いてかれなかったジョバンニ。 君たちは鉄柵をすり抜けて、あの鉄橋を渡っていくんだね。 涙が溢れて止まりませんでした。 なんて残酷で、美しい物語。 (実際のところはどうなのか分からないのですが… 観る側の受取り方次第、で良いですよね) 随所に響く音楽が、実に美しかったです。 流れていることすら気付かないほど自然で、決して邪魔しない、映像とシンクロするかのような、きらきら光る音と旋律。 坂本龍一さんのご冥福をお祈りいたします。。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2023.06.05 08:31:30
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