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気の向くままに♪あきみさ日記

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2023.06.05
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カテゴリ:映画感想

坂元裕二さんの脚本で是枝監督の作品と聞いた時から、早く観たいと待ち焦がれていました。

そうするうちに、カンヌで脚本賞ですって!うわっ凄っっ✨

そうなるといやが上にも期待が膨らみます。

昨日は1日がかりの用事があって行けず。

今日も午前と夕方以降に所用があったのですが、来週までなんてとても待ちきれない!

お昼間の上映に、パートナーとイオンシネマへGO🚗

イオンシネマ、夫婦50割があって助かる〜😆

これまで近くの他の劇場で正規料金で観ていた私たち、なんてバカ…💦

そして、感想なのですが…

⚠️ネタバレになるので、未鑑賞の方は読まないでくださいね。

本当に、何の予備知識もなく観る方が良いです。絶対に。

一つだけ言うなら…

笑いの要素は皆無でした😅

これまで観てきた坂元先生のドラマ、軽妙洒脱でぽんぽん交わされるユーモアあふれる会話にクスッと笑わせてもらってきましたけど、それらとは180度違うテイストです。

痛いです。

痛くて重い。

観終わってからずっと、胸の奥にずっしりと重いものが残って離れません。

怪物、だーれだ。

こんなに視界って、一方向にしか見えないものなんだ。自分の主観でしか、世界を見ることができないんだ。

最初は本当に、母親の視点で、なんて酷い教師なんだ学校なんだって憤りに染まりました。

母親にとって、怪物は我が子を苛む教師であり、保身に走る学校組織だったのでしょう。

でも、本当は違った。

次には、なんでオレがこんな目に遭うんだって戸惑い、あまりの理不尽さに絶望感でいっぱいになりました。

教師の目には、嘘をつく子どもたち皆が、得体の知れない怪物に見えたことでしょう。

あるいは、本当のことはどうだっていいと嘘の謝罪を強制する学校組織か、ガールズバーにいたと好き勝手に噂を拡散させる世間か、世間を煽り立てるマスコミか。

でも、それも一面的な見方でしかなかった。

誰も知られない、誰にも知られたくない真実があった。

なんて残酷な子どもの世界。

あの教師に落ち度があったとしたら、それを苛めだと看破出来なかったことか。それとも、薄々気付きながら、知らないフリをしていたのか?
あるいは、男ならガンバレと、何の悪気もなく口にしたことか。

残酷な世界に気付かれないように、密やかに育まれた絆。

まるで、お互いの足りないピースを埋めるように。

怪物、だーれだ。

少年にとっては、自分の気持ちこそが、得体の知れない怪物に思えたのか。

不意に湧き起こった幼い性に動揺し、拒絶する。

相手の子はそれが何か知っている? であるなら、彼は父親から性的虐待も受けていたかもしれない。

口に出せない想いは、音にして空気を震わせるといい。

妖怪に似た不気味さを放っていた校長が、唯一、彼に寄り添えたという皮肉。

あのときだけ、優しい労りの眼差しで相手をまっすぐ見た、校長も心に怪物を飼い馴らしてきたのだろう。

散りばめられた謎のピースが、次々と嵌まって、そういうことだったのかと気付くたびに、心が痛くなる。

もっと自由に生きられたら、もっと縛られずに肯定できたら…

青空のもと、緑の中を走る泥だらけの二人が見せた、弾けるような笑顔の煌めきが眩しすぎて、そうか君たちは魂なんだねと唐突に気付きました。

カンパネルラに置いてかれなかったジョバンニ。

君たちは鉄柵をすり抜けて、あの鉄橋を渡っていくんだね。
もう苦しむことも、偽ることもない、二人だけの世界へ。

涙が溢れて止まりませんでした。

なんて残酷で、美しい物語。

(実際のところはどうなのか分からないのですが… 観る側の受取り方次第、で良いですよね)

随所に響く音楽が、実に美しかったです。

流れていることすら気付かないほど自然で、決して邪魔しない、映像とシンクロするかのような、きらきら光る音と旋律。

坂本龍一さんのご冥福をお祈りいたします。。






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Last updated  2023.06.05 08:31:30
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