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人間には思考の癖、というものがあります。例えば犯人探しとか、例えば授かり効果とか。有名どころだとハロー効果、というものもあります。第一印象で人の良し悪しを決めるという癖です。
顔のいい人はいい人と、顔の悪い人は悪いに人と勝手に思い込んだりするのです。だからこそ、俳優女優の不祥事には一定の擁護派がいるのですね。その人のことを何一つ知らないのに、きっと騙されたんだって擁護するんですわ。よく考えたら変な話です。未成年に手を出したり、麻薬に手を染めたり。同じことを一般の人がしたら、その人はきっと擁護しないはずです。 でも、こうした思考の癖、というのは実に大切なのです。だって、例えばさっきの話ならその人が本当にいい人なのかなんていちいち検証してたらキリないですもの。 脳の省エネ、思考のショートカットの現れこそが脳の癖『バイアス』であり、行動の癖『ヒューリスティック』なのですね。 今回はそんな数ある癖の中で、特に強ーい奴をご紹介します。 その名も… 可用性ヒューリスティックです。 皆さん。少年犯罪はここ数十年、増加したと思います? それとも変わらない? 内閣府の調査によると、8割の方が増えている、と考えているそうで、減ったとしている人はわずかに数%でした。 では実態は? こちらをご覧ください。 書いてある通りです。少年全体の人口比でも、大きくその数を減らしています。つまり子供たちはよりおとなしく、より遵法意識の高い存在になっているわけです。今の4、50代が少年だった1990年付近に比べれば、5分の1です。 ではなぜ、こんなふうに数が増えたと思い込む人が多いのか。それはニュースやドラマの存在が大きいのです。 可用性ヒューリスティックは思い出しやすいものを正しいと思うヒューリスティックです。ニュースで取り上げられるたび、あるいは著名な評論家がこのヒューリスティックに踊らされてトンチンカンに少年犯罪が増えたとか言い出すたび、人の気持ちにはあの人が言うなら…とか、そういえばこの前聞いた…とか、勘違いの種が撒かれるわけです。 昨日取り上げた新入社員のやつもそう。誰かが言った言葉を、ただインパクトがあって思い出しやすいからというだけで本当だと勘違いするのです。進化の歴史に裏付けられた脳の癖ですから、勘違いする奴が悪いとは言いません。ただ、そう言った癖があると言うことを我々は自覚した方がいいのかもしれませんね。 思い出しやすいから、覚えやすいから大切だと思い込んでやいないか?と自問したほうがいいのかもしれません。 今回の参考図書はこちら。 送料無料【中古】意思決定のマネジメント (一橋ビジネスレビュー・ブックス) いい本なのでぜひ。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2021.01.28 18:16:23
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