2007/10/06(土)21:35
バナナと芭蕉
与論民俗村では、民家や民具の他に庭木の説明もありました。
草木染めや大島紬・芭蕉布の染料になる車輪梅・
葉をお茶にして実を食べるグァバの木、
幹の皮を繊維にして糸を紡ぎ織って、芭蕉布にする糸芭蕉など・・・
グァバは花も実も今年は終わってしまったそうで、
花が咲いていたり実がなっているところを見たかったなと思いました。
糸芭蕉
バナナの葉っぱに見える
芭蕉には糸芭蕉と花芭蕉と実芭蕉(バナナ)があるそうです。
糸芭蕉は幹が太くなって皮をはいで繊維をとるそうですが、
バナナみたいな実はなるけど小さくて食べられないそうです。
民俗村に実芭蕉(バナナのなっている)の木もありましたが、
私には糸芭蕉と実芭蕉の葉の区別がつきませんでした。
話がそれますが、「水芭蕉」は水辺に生えて芭蕉のような大きな葉をつけることからその名前が付けられたそうです。
芭蕉はバショウ科ですが、水芭蕉はサトイモ科で花言葉は「美しい思い出」。
夏が来~れば思い出す♪の歌で有名ですが、沖縄では見ることは出来ないだろうなと思います。
芭蕉と聞くと、東北各地を旅して俳句を作って紀行文「奥の細道」を書いた松尾芭蕉を思い出します。
岩手の平泉で、・夏草や 兵(つはもの)どもが 夢のあと
・五月雨の 降り残してや 光堂
山形では立石寺(山寺)で・閑さや 岩にしみ入 蝉の声
新庄で・五月雨を あつめて早し 最上川(もがみがは)
など、有名な俳句を残しています。
東京の深川の自宅に芭蕉を植えて「芭蕉庵」と名づけているので、
東京などでも芭蕉が育つのだなと思います。
芭蕉は葉を煎じて利尿(りにょう)や解熱(げねつ)などの
生薬として飲むことが出来るそうです。
私達が住んでいるアパートの隣のおばあさん家のバナナの木はバナナがならないなと思っていたけど、
芭蕉(糸芭蕉)なんだなろうなと思いました。
伊是名でも、お餅などをくるんだりする月桃や、
シークワーサーなどを庭に植えている家を見かけます。
糸芭蕉を昔は各家で幹の皮を繊維にして織って芭蕉布にしていたのでしょうから、
今でも植えている家(観賞用かな?)があるのだと思いました。
芭蕉布は風通しが良く、軽くてサラリとした風合いで、亜熱帯の気候に適した織物だそうです。
沖縄では、大宜味村の喜如嘉にその伝統が受け継がれていて、「喜如嘉の芭蕉布」は
文部科学大臣指定重要無形文化財と経済産業大臣指定伝統工芸品になっているそうです。
大宜味村立芭蕉布会館に一度、芭蕉布を作るところを見に行ってみようと思います。
人気blogランキングへ