|
テーマ:心にのこる出来事(94)
カテゴリ:TimeDomain
NHKで「潜在的自然植生」による森の再生を実践されている国際生態学センター研究所長の宮脇昭さんの番組の再放送を見た。
「知るを楽しむ選 この人この世界 日本一多くの木を植えた男」と題した連続5回の番組だ。宮脇さんは、若い頃日本国中を行脚して植物の生態を調査して回ったそうだ。一年の内250日程を現場に出て植物を観察し通しの生活を送った。 そんな生活の中でいくつかの論文を書き上げた。 しかし、日本国内ではそれ程の評価を得られなかった。 そんなある日、ドイツの植物学者が彼の論文に興味を持って連絡をしてきたという。宮脇さんはドイツに渡りその教授のもとで研究を続けた。ドイツは産業の発展と引き替えに自然を破壊しつくした国だ。その国では、森の再生は重要な課題だったのだ。 現場主義だった宮脇さんをも唸らせたドイツでの研究は、その後やっと実を結ぶこととなる。彼は製鉄所の周りを森で囲むというプロジェクトを成功させた。 それは、所謂偽物の緑化運動のレベルではない。 日本中を行脚した彼だからなしえた、その土地と環境にマッチした植物を植樹するという、考えてみれば当たり前の手法で、「ホンモノの森」を作ったのだった。 「ホンモノの森」とは何か? それは、森が森として機能する、つまり、定期的に人為的な補助を必要としない、いわば自立した森のことだ。 自己再生を繰り返し、いつまで経ってもその形態を維持し続ける事ができる、そんな普通の森のことなのだ。 考えるまでもなく、そんな事は当たり前の事。 しかし、当たり前の事に如何に人間は気づかないかを改めて思い知らされる話しだった。 ホンモノを探し出すには、実践しかないのだ。 そうすることで、あらゆるものを壊さず再生する事が可能になる。 「潜在的自然植生」と言う理論は、その地域(土地)の植生を調べつくし、そこに育つ植物を植えることで10年後には、その土地で自然再生を繰り返すことの出来る森を作り得る理論だ。 それは、ただ単に理論ではない。調査実践に裏打ちされたものだからだ。 タイムドメインの音が生まれたのも、同じ道筋をたどっていると思う。 より自然な音への飽くなき探求と実践により導かれた理論と技術だという点では同じなのだ。 森の再生が成し遂げられたのと同じ理論で、録音時にあった音を限りなく再現できている。 「再生」という事の本来の意味合いと同じで、聴く人の目の前にその音が放たれたと同じ状況を、もう一度生き返らせてくれている。 それは音、自らが持つポテンシャルを余すところなく再生する力なのだ。 ホンモノを追求し続けている人の言葉は説得力がある。 以前水について講義を受けた「アクアチュララ」を開発したアウラ化粧品の川田社長もそうだった。 実践の裏付けによる分かりやすさが、その理論や正当性に素直に共感する事ができるのだ。 研究は実験の繰り返しで完成されるのと同じで、ホンモノを見極める力も現場の実践でしか獲得できないモノなのだと思う。 自分を信じることは大事な事、しかし、信じるに値する自分を作ることも、その大前提として必要不可欠なのだ。 それは、終わりのない旅なのかも知れない。 そう、ボクがタイムドメインに教えられたことは、これが始まりなのだということだ。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
[TimeDomain] カテゴリの最新記事
|
|