理解するためのキーワードその2「有機肥料と無機肥料(化成肥料)」
植物はどんな場合でも水分を媒体に使って栄養を摂取しています、水に溶けないものは吸収できません。さらに有機質の状態でも植物は吸収できません、無機質になって水に溶ける状態になって初めて細胞内に吸収できます、その時点では元が有機肥料だろうが無機肥料だろうが違いはないのです。植物にとってなんでも有機肥料がいい、と言うのはひどく曖昧で乱暴な言い方なのです。
有機肥料はほとんどの場合、そのままでは吸収できない状態の肥料です。それを土中に居る分解者に当たる菌類やバクテリアが分解した結果、無機質となり植物の体内に吸収されていきます。このようにワンクッション置く作用が有機肥料にはあるため肥料当たりが柔らかい、と言われています。ですが植物の目から見れば有機だろうが無機だろうが本質的に区別はありません。
無理やり人間に例えれば有機肥料は通常の食事、無機肥料はプロテイン(アミノ酸)やビタミン剤などのサプリメントと言い換えることが出来ます。無機肥料が土を荒らす、と言われるのは無機肥料を無闇やたらに施すことで土中の肥料分やミネラル分、土壌細菌のバランスを崩し、植物に病気や生育障害が出るためなのです。
理解するためのキーワードその3「置き肥と液体肥料」
単純に例えるとこの2種類は 植物にとっての一汁三菜のようなものになります。
置き肥は主食のご飯やおかずにあたります、緩効性、即効性のどちらでも同じです、有機、無機の違いも関係ありません。
液体肥料は濃度(栄養分の量)によって違います。規定の希釈倍率(普通は1000倍)なら一汁の「お味噌汁」「スープ」や「カロリーメイト・ドリンク」に相当し、規定の希釈率の2倍に薄めると「スポーツドリンク」に、更に2倍に薄めると「リンゲル液(点滴液)」、と例えることができます。
チッソ・燐酸・カリは植物にとって多量に必要なものなので、置き肥だけでは追いつかない場合、あるいは微妙なチッソ・燐酸・カリの比率を変える場合は液体肥料を使って比率を整えていたりします。更に言うと液体肥料だけでもバラは育てられます、野菜の水耕栽培などに使われていますし実際にロックウールなどで液肥しか使わない切りバラの栽培もあります、トマトの栽培方法として採用されている「永田農法」と言ったものは液体肥料しか使わない栽培技術です。但し、永田農法がバラに適用できるかどうかは未知数です。
理解するためのキーワードその4「肥料を切る」
バラなどの栽培本には「花弁が色付き始めたら肥料を中止」とありますが、それには2つ位の理由があります。
HTなどの現代バラは、剣弁高芯咲きが最も美しいとされていた時代がありました(今も)、蕾が開く寸前まで肥料をやるとどうなるか? 品種によって色々違いますが花弁が開く寸前まで肥料によって成長を続けると、花芯周りの花弁の巻き方が2つになったり3つになったり4つになったり、チッソ過多によって花弁が硬くなり開きが悪くなったりして花姿が乱れることがあるのです。
これを「美しくない」として咲く時期に合わせて肥料を打ち切るようにしているのです。昨今はイングリッシュローズやオールドローズのようなクウォーターロゼットやカップ咲きなどの様々な咲き方があるため、コンテストに出すのでなければ肥料を切ることは無理にしなくてもかまいません。チッソ過多を避けるためならばチッソ無しの燐酸・カリのみの液体肥料もありますので場合によって選択できます。最近の研究ではバラは他の植物に比べてカルシウムを多く要求するとの報告もあるので、カルシウムも補給したほうがよい花が咲く可能性があります。
いかがですか?肥料を理解するためのキーワードを4つほど挙げましたが大まかに理解するためならこれだけ解っていれば十分です。ヽ(´∀`)9mビシ!!
バラは元来が木なので元々は大変強い植物です、肥料の遣りすぎで枯らしてしまうことはあっても遣らなさすぎで枯れることはほとんどありません、くれぐれも濃い濃度の肥料を根の周りに配置しないように心がけてください。そうすれば綺麗なバラが次々に咲いていきますよ。
o(≧∇≦)oキャ♪
液体肥料の場合は薄い濃度のものを数多く施すことがバラにとっての活力の素になるわけです。
以上、カンタン肥料取扱説明書でした。
c⌒っ ゚ー゚)φ糸冬 了
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