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アラビア書道とその周辺

アラビア書道とその周辺

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2007.03.04
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カテゴリ:催し物
池袋・古代オリエント博物館内で開催中の「ペルシア書道へのいざない」に行ってきました。これは古代オリエント博物館・自由学校「ペルシア書道教室」(講師:角田ひさ子さん)の生徒さん及びミニアチュール(細密画)の作品と合同作品展になっています。全部で30点余りの作品はお馴染みのペルシア書体の他、シェケスタ書体、ソルス書体、ムハッカク書体と余り聞き慣れない書体の作品も含まれています。シェケスタ書体はペルシア書体を少し崩した書体でペルシア書体より軽快な雰囲気があります。ソルス書体はアラビア語ではスルス書体にあたります。ムハッカク書体はスルス書体に似ていますが、更に古い書体で、wawの文字などが左側にピンピンとはねた線が目立つ書体です。

ペルシア書道の特徴として細密画との組み合わせが良くあります。この展示展の作品にも細密画との組み合わせの作品が数点ありました。オマル・ハイヤーム、ハーフェズ、フェルドーシィなどの有名なペルシア詩人の詩の一節が、生き生きとした(ある時は少し生々しい)人間の姿や花鳥風月と共にリアルに描かれています。通常、アラビア書道では、具象的なもの、いわんや人間などをバックに描くことはなく、抽象的な模様や蔓草紋様など抽象的な模様に限られますので、この点かなり異なっています。

この作品展では、トルコ人の細密画の先生ギュンセリ・オズギュール加藤さんのお弟子さんたちの作品も展示されています。細密画のお稽古は現在でも東京や横浜に教室があります。実は当方も一時お稽古したことがありましたが、余りにも細かい作業のため、3回ぐらいで断念した経緯があります。非常に細い筆で、人物や風景を少しずつ丹念に書いてゆく作業を繰り返します。虫眼鏡を使い、グラデーションなどを細かく塗り分けてゆくので、神経の細やかな、かつ根気が続く人でないと到底無理です。本物の金泥の絵の具を塗った後、スベスベした石でこすると金がピカピカに光り、作品が非常にゴージャスになります。

古代オリエント博物館の中、また土曜日ということもあり、結構多くの来場者が来ていました。作品一つ一つにペルシア語の原文と日本語の意味を丁寧に書いてあり、非常に分かりやすく展示されています。スィヤーマシュクやケターバットというペルシア書道に良く用いられる書道スタイルの詳しい説明も書かれており、勉強になります。使用する道具類も展示されています。さすがに博物館での展示だけあって、至れり尽くせりになっています。アラビア書道をお稽古している方や興味のある方は是非見て下さい。入場料は大人一人500円になりますが、ついでに古代オリエント博物館の展示品も見ることができますので、もとは取れると思います。

「ペルシア書道のいざない」は3月11日まで開催しています(10:00~17:00、入館は16:30まで)。特に、3月10日15:00~16:00及び11日14:00~16:00は、ペルシア書道家・角田ひさ子さんによりお名前をペルシア書道で書いてもらえます。

今後、アラビア書道、ペルシア書道、細密画などとのコラボも是非実現したいなあと思いました。


ペルシア(ペルシア書体)







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最終更新日  2007.03.04 07:33:41
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