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驚異のイスラム(ナスヒー書体)
何か面白い週刊誌はないかと見ていたところ、真っ赤な大きな字で『驚異のイスラム』という題字が見えたので思わず週刊ダイヤモンド(2007年3月24日号)を買ってしまいました。週刊ダイヤモンドは経済誌として有名な雑誌ですが、イスラム経済を取り上げることは余りなかったような気がします。 その中で以下のような面白い記事がありました。 (1)全世界にイスラム国家は57ヶ国(パレスチナ自治区を含む)あり、イスラム人口は13億人(世界の人口の5人に一人がイスラム)。 (2)イスラム諸国で利子をとらないで銀行などがどのようにしてお金を貸すのか? (3)サウジアラビアでは若年層人口が急増しているが、20代前半の30~40%がニートである。 (4)トルコとエジプトが急成長している。 上記の詳細な解説は、自腹で570円払って同誌を買って読んで頂きたいのですが、簡単に答えると以下の通りです。 (1) インドネシア、パキスタン、バングラデシュ、インド、ナイジェリアが1億人以上のイスラム人口を擁している。インドに1.5億人もいるのに驚きです。 (2) コーランの教えでは金利を取ってカネを貸すことができません。そこで色々な方法で金利にあたるものを取っています。例として挙がっていたのが、ローン会社はカネを借りに来た客にダイヤモンドを一旦5,000で販売し、即座に4,000で買い戻し現金を支払います。すると客の手元には4000の現金と5000の債務が残る。客は自由に使える現金4000を手にし、分割払いで5000を返済してゆく。つまり店にとって1000は利子ではなく、ものの売り買いによる利益であるということになります。モノは目減りしない商品なら何でもよく、店と客の間で実際は動かないので店の金庫に入ったままで書類上売買しただけです。何か腑に落ちないような売買ですが、イスラム法的にはOK。 (3) 仕事がなくてニートが多いわけではなく、余りにも国家の保護・福祉が手厚く、富裕層が多いために若者が仕事を選り好みするから。私が駐在していた20数年前から言われていました。教育費、診療費などはタダの上、所得税、消費税ゼロで親父が金持ちなら何で働く気になるでしょうか。 (4) 石油の出ないトルコとエジプトは中東では珍しく外資導入を積極的に行い、自動車産業などの誘致に成功し、雇用も増えているから。 日本人にとって、イスラム諸国では内戦をしているか、核開発をしているか、イスラエルと戦っているか、などのイメージの方が大きいかも知れません。さすがに最近はドバイの異常な好景気さがマスコミに取り上げられるようになりましたが、それ以外の国のことが取り上げられることはほとんどありません。どうしても一般紙で取り上げられているのは政治、社会が中心になるので、時々経済誌も読んでおくと面白いですね。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2007.03.22 08:12:57
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