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カテゴリ:アラビア語
6月30日、アラビア語塾の20周年記念パーティが開催されました。どちらかというマイナーな言語を20年間もコツコツと新宿の片隅で教えられて来たことは敬服に値することです。
20年前というのはちょうど私がサウジアラビアのリヤドの駐在から帰国したところで、担当地域が変わり、逆にアラビア語から離れた時期でもありました。 13年まえからアラビア書道を始めたことから、アラビア語を再開したいという思いは高まっていましたが、平日は相変わらず忙しくアラビア語まで手が回りませんでした。 ところが、3年ほど前から、少し時間の余裕ができたことから、インターネットでアラビア語を教えてくれるところを検索してみると、意外に中級レベルを教えてくれるところがほとんどないのが分かりました。四谷にある某学院では、中級は人数が少ないので成立するかどうか分からないということで、後日結局成立しなかった旨、連絡がありました。その他のところを見ても、カルチャーセンター的なところはあるものの、時間帯が平日の昼というところが多く、少しあきらめかけていました。 最後に残ったのがこのアラビア語塾でした。夜遅い時間帯でもほぼ毎日クラスがあるのが気に入りました。 新宿駅から強風吹く高層ビル街を抜け、更に真っ暗な新宿公園を通過し、15分以上も歩いたところにある、少し古びた怪しげなマンションの一画にそれはありました。玄関の扉にも余り大きな宣伝もなく、分かっている人しか入れないような、秘密倶楽部もしくはアジト的雰囲気もありました。教えている先生も、ジーパンを穿いた、全共闘の生き残り的な雰囲気を少し醸し出していましたが、選択の余地も余りなかったことから、もしおかしな勧誘があったら逃げようと思いながら、勉強を開始しました。 当初は火曜日の20:10からという最も遅い時間帯を選んでいましたが、その後、別会社に出向したこともあり、早い時間帯でも受講できるようになり、同日の18:40からに変更してもらいました。 怪しげな雰囲気とは異なり、授業は至極オーソドックスなもので、ハディースを読んだり、新聞記事を読んでみたりと、久々に錆び付いていたアラビア語脳を動かすことができました。 単語に就いての解説や、文法も丁寧に教えて頂き、大学時代サボっていた時に抜けていた項目も充分サポートしてくれる授業が気に入りました。授業に余り直接のない、重箱隅的などうでも良い質問に対して、先生は、明らかに少しこめかみをピクピクさせながらも、丁寧に回答される様はさすが20年近くのキャリアーがなせる技だと感心したくらいです。 塾生と呼ばれる人々は世界各国で活躍されている方も多く、報道、出版、教育関係者もかなりいるようです。一方、まだ始めたばかりという方も多く、全くの初心者からプロのアラビストまでこれだけ揃っている私塾は日本では他にはないと思います。 授業は予習が絶対必要であり、毎週ある授業は意外に早く廻ってくるもので、結構厳しいものの、お菓子がテーブルの中央に常備されています。プロと見間違うような手作りケーキから、二度と食べる気になれないドリアン羊羹までが饗され、更に世界各国のお茶を飲みながらサロン的な雰囲気も併せ持っていました。 今回のパーティには現在アラビア語塾で習っている塾生のみならず、歴代携わった人々も参加され、100人ぐらいは集まったでしょうか。久しぶりの再開に昔話を咲かせたりしていましたが、私も、28年前に初めてサウジに駐在した時に仕事を一緒にしたことがある、元おなじ会社に勤めていた方に20年ぶりぐらいでお会いすることができました。 先生は、司会から裏方まで一人でやられており、コマネズミのようにあちらこちらをバタバタしているうちに会は勝手に、かつスムーズに進行して行きました。パレスチナ関連のNGOの民芸品売りやアレッポの泥石鹸のチャリティもありました。そしてメインイベントの一つが、矢口美香さんとそのお弟子さんたちによるベリーダンスでした。数日前に別のベリーダンスを見たばかりなので、しっかりと動きの違いなどを観察しましたが、かなり蠱惑的要素の強いショーでした。もともと東映の女優さんだっとのプロフィールにありますが、そのときの華やかさが感じられ、見せ方も工夫がされていると思いました。 この華やかさに隠れて、JACAの時計販売を、こそっとしたところ意外に反響が大きく、いくつか受注にこぎ着けることができました(はず)。 同じフロアの反対側では、「○○さんの送別会」らしきものを神妙に粛々と進行していましたが、それにもひるまず、こちらでは、ベリーダンスで、少し嬌声的に聞こえる独特の掛け声を発し、手拍子を叩くなど、賑やかかつ、楽しく進行しました。名物のカレーそしてデザート、コーヒーが出たところで、次回は5年後にまた行うことを誓い、約2時間の会はお開きになりました。 この20年間には、日本の経済環境が大きく変わり、アラビア語熱も熱くなったり冷めたりを繰り返してきました。昨今は急激な石油価格の高騰から、またアラビア語学習者が急増中にあるのかなと一瞬思いましたが、どうも現実ではそうでもなさそうです。時間がかかるアラビア語より、英語や中国語の方が手っ取り早いという流れが経済界にあるように見えます。一方、どちらかと言えば、趣味的な意味でアラビア語を習う人が増えてきているように思います。日本が成熟社会に入るに従い、アラビア書道もそうですが、今後ともアラビア語学習者が“適当に”増えることを祈念しています。 司会をするアラビア語塾先生 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2007.07.01 11:44:02
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