アラビア書道とその周辺

１８：３０から同ビルの３階にあるセミナールームでシンポジウム「Peace Prospective in the Middle East and Japan's Role」（中東に予想される平和と日本の役割）が行われました。

パネラーは、パレスチナ大使、エジプト大使、サウジ大使、日本の外務省副大臣、小池百合子衆議院議員、中東協力センター長、国際交流基金理事長の７名となかなか錚々たる面々です。

プログラムを見ると各人が１０分ずつ短いスピーチを行い、その後、２０：００からパネルディスカッションになるスケジュールが書いてありました。それぞれの題が大きすぎる上、話し好きのアラブ大使が３人もいるので恐らく、大幅に時間が遅れるだろうと予想したところ、案の定、シンポジウム自体の開始が１０分ほど遅れました。ところが、パネラーのスピーチはほぼ皆１０分で収まり、何と予定通り２０：００には全員のスピーチが終わっていました。これは驚きでした。さすがに大使クラスになると、内容はともかく、時間通りに終えることができるのだなあと、本田先生も当方も驚きを隠せませんでした。

司会を担当していたのが、エジプト大使館の広報担当の方で私も何度が会って良く知っている方でした。執務室ではいつも葉巻をくわえている少し怪しげな日本語堪能な優男風ですが、進行がなかなか上手く、きちんと各要人の紹介をし、簡単にそれぞれのパネラーの話を短く纏めて次の方に移ってゆくという作業を見事こなしていました。人は見かけによらないものだなあと思った次第。

小池百合子議員のスピーチは、自分がパレスチナ訪問とカブール訪問した時の映像を会場に流し、盛んに行動力をアピールしていました。そして、スピーチの終わりに、「今日はこのシンポジウムを中座しなければなりません。というのは明日、新党を立ち上げるためです。」と驚くべき話をしたため、一堂、オーッと声が上がりました。こんな席で何を言い出すのかと思ったところ、これはエイプリルフールですと後で付け加えました。いつもなかなか如才ない方です。

３０分ぐらいパネルディスカッションを見ていましたが、小池議員や副大臣が中座したため、余り活発にディスカッションもされなくなくなり、だんだんと聴衆も少なくなり始めたので、本田先生と私もそれに紛れて会場を後にしました。

パネルディスカッションを見ていて、なかなかどこの大使も踏み込んだ話はせず（まあ、こんな席で思い切った発言もできませんが）、それこそ、事務的できれいな話しで終わってしまい、パレスチナ問題をアラブ各国が何とかして解決しようという姿勢は余り見ることはできませんでした。
ちょうど同じ時期にカタールのドーハで行われているアラブ首脳会議も大荒れに荒れているのを見ると、アラブとはなかなか一体になって行動を起こすということができない民族だなあとつくづく思います。
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