磯屋本舗Lite
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ただ語らずに湯治のおまえと酌み交し
2005年01月25日
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七草そろわずもうしわけなさそうにだいこんの葉
2005年01月16日
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立てたひとさしゆびにくいちぎられるほどのつめたいかぜ
2005年01月12日
知らない場所で正月を迎えここが始まりの場所になる
2005年01月05日
一人しかうかべない広い波でぷかり誰もいない
2004年12月28日
すれ違う人の誰もが石鹸の匂いたち
2004年12月16日
好かれようとして嫌われようとしてそのくりかえし
2004年12月12日
明日の空は晴れよ雨よと片足跳び
2004年12月09日
母よあなたには言葉を教えてもらった恩がある
2004年12月08日
薄いふすまの向こう側私と私に似ている人がわらっている
2004年12月06日
かげになったあなたのこえをかげのほうのみみできこえる
2004年11月30日
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風走り一面の赤
2004年11月23日
たちのぼる湯気をまといかすみがかる冬の星座
2004年11月15日
君とうたう初めておぼえた秋のうた
2004年11月08日
見上げれば逃げ出す私を残酷に照らし出す月の光
2004年11月01日
ねていてもすわっていてもたっていてもひとしく高いそらのあおい
2004年10月25日
はぶたいのだんごくちいっぱいにほおばるひげの先生
2004年10月18日
風吹いて先行く勇気が吹き飛んで戻る気力も吹き飛んで
2004年10月11日
ケンケンとせきをしながら持ってきたかゆを2人ですする
2004年09月27日
これがさいごのまんじゅうですのでおじぞうさまどうぞよく噛んでお召し上がりくださいませ
2004年09月21日
不細工な婆が不細工な手のひらで作ってくれたあたたかいソバ
2004年09月13日
たくさんの喪服がもう食べられない白装束の分まで泣きながらメシを食う
2004年09月07日
ここを最後の場所と決めたセミと夏
2004年08月30日
ぐっすりねむれてなつの暑さもひとやすみ
2004年08月23日
ひたいの汗を手でぬぐい夏が好きな人が笑っている
2004年08月16日
ずいぶんとくたびれて薄くなった座布団の下に探していたせんす
2004年08月08日
大輪の花火散り見上げる夜空にいつのまにか満月
2004年08月02日
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茜色に染まった部屋に細くやさしい風が通り暑き1日の業が終わる
2004年07月26日
伝える勇気もなく焼けた岩に染み付いてゆくあなたへの言葉
2004年07月21日
絶交したはずの友人の墓の前に立ちひんやりと触れる
2004年07月12日
無事に帰ってこれますように
2004年07月08日
ゆく先遠く振り向いた私の足跡もまた疲れはてる
2004年07月05日
乾き さまよい たどり着き井戸の底に映る私はそれほどまでに冷たい水を欲したのだろうか
2004年06月28日
木々のこすれる音水が川を走る音鳥が笑う音わたしの足音だけがいつまでたっても仲間はずれ
2004年06月22日
倒れた枝反対の方向からやさしい風が吹き私は未だ行き先を決められずにいる
2004年06月18日
ひざ小僧まで湯に浸かり乗るはずだった最後のバスをゆっくり見送る
2004年06月14日
宿屋の2階から遠く雨模様の海を臨む
2004年06月10日
見知らぬ土地で見知らぬ電車に乗り見知らぬ人からよく知る土地の名を聞く
2004年06月04日
一番最初の手紙だけを何度も読み返す
2004年06月03日
汗ばむ腕に上着を垂らしかざした指のあいだから顔をのぞかせるおまえに悪気はないはずなのに
2004年05月26日
差し出された両の手いっぱいのあずき
2004年05月25日
見上げるほどの街路樹無粋な街灯は疾うに見下し広がる青空をいつか掴み取る
2004年05月17日
こんなもんだろ言ってしまってすべてが止まる
2004年05月10日
すれ違う白い人の道もまたきっと暗いのだろう
2004年05月06日
一人で使うには大きすぎる傘風に煽られても濡れるのは私一人
2004年04月28日
散りゆく花びらとどこへにもいけない私残酷な夏風が吹き付ける
2004年04月23日
手を繋ぎここが別れの一里塚あなたは星に私は石に
2004年04月15日
自分の足音が聞こえないから歩けない自分の声が聞こえないから歌えない
2004年04月11日
幸せなときにこと実感すること不幸なときこそ私らしく振舞うことができる
2004年04月05日
智恵子がないと言った東京の空を私は見ているほんとの空が見たいと言った智恵子の分まで
2004年04月02日