2008/03/08(土)22:49
【壱】疑惑の従業員
事の発端は台湾人の洪経理でした。
これまでにも他のシリーズにも登場している
ビッグマウス台湾人です。
今まで登場してきた話では
「面倒くさい事はやる気なし」
「あきらめが早い」
「でも口は立つ」
など、要領がいいだけの人として描写してきましたが。
最初は全然違って、それはそれは張り切っていたんです。
* * * * * * * * * * * * * * * *
彼が赴任前、江蘇の日本人管理者は大川さん・竹山さん・私と3人。
大川さんは生産と技術に関わる全て、竹山さんは財務や総務、
私は二人の通訳翻訳及び外貨手続と貿易手続など役割分担をして
江蘇の会社を管理していました。
毎日のように発生するトラブル・日本では考えられない
複雑怪奇な規定や手続きに、3人共ようやく慣れてきた頃。
そこへ、やってきたのが洪経理。
言葉と文化の壁がなく、言いたい事を100%表現できる。
言葉と文化の壁に、言っている事が従業員にキチンと伝わっているのか
イマイチ自信が持てずに管理していた日本人3人。
管理ですから。
指示した事をスタッフにキチンと理解させて、その通りか
それ以上の事をさせなければ、それは管理できている事になりません。
私が3回言わないと理解させられない事を、
洪経理は1回言っただけで理解させられる。
しかもスタッフは「グウの音(ね)」も出ない。
やっぱり違うな~・・・(-。-; ←私
一応、何年かの対中経験があるつもりでいた私は、
焦りと嫉妬と尊敬が混じった複雑な気持ちでした。
洪経理は本社の意向もあって、重要なコスト管理にも着手し、
財務書類全面見直し。
そして、その報告会議が行われました。
出席者は洪経理+日本人3人(私は通訳で)。
結果は、配送運賃が全コストに占める割合が異常に高い。
大川さんと竹山さんが目を見開いて、互いの顔を見合わせました。
洪経理「トラックの手配をしているのは誰ですか?」
大川 「ヨウやけど…(~~)」
洪経理「運賃の値段交渉はされましたか?」
大川 「…いや、特に(汗)」
洪 「価格は、誰がOKしましたか?(竹山さんを見ながら)」
竹 「…それは、ヨウ小姐が(汗)」
洪 「皆さん、コストの価格チェックは行わないんですか?」
竹 「・・・・」
洪 「チェックシステムはありますか?」
大 「・・・いや、特に。従業員に任せてるけど」
洪 「…そうですか(ため息)」
全員:シ~ン
大 「…洪さん、正直な所ね。
わしら、どないして管理したらいいか分かりませんねん!
日本やったら各担当者に任せとったら、それでよろしいからね。
ここ(中国)やったら何もかも見なイカンのやろか?
でも相場も分からんし、毎日納期に追われて手も回らんし。。」
竹 「・・・・」
洪 「それは大変でしたね。
環境が違う日本人には難しいと思います。
大丈夫です。それは私がやりましょう。
相場が分からないなら相見積もりを取って比較すればいいし
全ての見積もりは担当者から提出させて、責任者のサインなしには
購買できないようにすれば良い。」
大 「ああ~(頷く)」
洪 「とにかく、この会社には今、管理システムが全くないようですから
先ず、管理システムを構築しましょう!」
* * * * * * * * * * * * * * * *
・・・とまあ、こんな風に。
洪経理主導で始まった管理システム構築の一環として、
先ずは配送運賃の相見積もりを取ったワケです。
結果は:
今の運賃は他所の運送会社の4倍。
毎月の運賃支出は、約4万元。
って事は、毎月約3万元(当時約40万日本円)が余分に出ていってる?
こりゃ~ぁぁぁ・・・・
・・・・おかしいな( ̄ー ̄;
つづく。
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