初インド紀行6<工芸品のお土産を買う1>
若い頃の旅行は経験重視で見た事ない、聞いた事ない、やった事ない、を体験する事を重視して、お土産などは正直どうでもよかった。しかし近年、人の記憶力は曖昧なものだと思い知ることが多くあったので、写真をできるだけ撮って「あ~こんな人いたよな」と思い出せるようにし、また「行ったこと」を実感できるようにそして思い出を楽しめるように、毎回何か、飾り物的で長期に保存できる記念品を買うようにしていた。エジプトの時はパピルスに描いた1*2mほどの絵を買った。安い絵だったけれど、絵よりも高価な額に入れて壁に飾った所、それなりに見えて満足している。「こういうの悪くないな」と思ったのでインドでも何か記念になるものを買おうと思っていた。タージマハルを見学した後ガイドの収入に直結するであろう「大理石工場」に連れてこられた。タージマハルは大理石でできている。装飾は、色石を大理石にはめ込んで花模様や何やかやにしているのが素晴らしい。タージマハルの興奮さめやらぬ時に同じ作り方の工芸品を作っている大理石工場に連れてきてお土産を買ってもらおう、というコースのようだ。私達(今回、英語のできる日本人の連れが同行)が工場に入ると作業員が手作業で細工している所を案内されそのあと、即売場に通されました。いかにもインドの人、みたいな工場長とか館長とかいう人が案内してくれたのですが直径70センチくらいの、テーブルにできるくらいの大理石細工を見せてもらったりしました。石の下からライトを当てると、ほんのりライトが透けて結構美しかったのですが、これは大きすぎ。私はもう少し現実的に、片手で持てるくらいの大きさで、飾りになるくらいの大きさで、且つそれなりに見栄えがするのを探していました。そして、これいいな、と思ったのがこれは既に家に持って帰ってきているものですがこのくらいだったら飾りにもなるし模様もエキゾチックだし、で。「これを買おう(ヨシ)」決めたのでした。価格は・・・2万円まで。原価から言えば、そこまでないだろうけどここまでの足代と素材が大理石や色石な事を考えるとトータル2万なら出してもよいと。そして館長に「このあたり、見せてもらってもいいですか?」と声をかけ。すると館長は、待ってました、とばかりに他の模様なども含め、何十枚を案内してくれました。好きなものを選んでください。あなたが気に入ったものをどんどん取り分けて消去法で決めればよいと。As you like♪この辺りの態度からも1枚でも売れればかなり利益出るのだろうなと憶測。勧められるままに、直感で好きなものを取り分けて合計20枚くらいが候補に残りました。館長も、これは買わさにゃ!と「さあさあ、さあさあ!」みたいに押してきたのでいやいや、ちょっと待って。「こちら、おいくらかしら?」落着きはらって聞いた所、館長は素早くプレートの裏を見せて「ここに値段が書いてあります。これは440ドル、これは371ドル・・・」ああ~値札が貼ってたんだ。あれ?結構するのな。どれも350とか(汗)う~ん、でも私の目標価格は2万円だから・・・(正月当時)220~230ドルくらいまでだな・・取りあえず200ドルで聞いてみよう。「OK.My target price is・・・two hundred dollars」途端、館長ははあ~??という表情をして私を凝視。私は、ニッコリ凝視し返す。館長は「No,No,No」と首を振りながらガラガラとプレートを片付け始めた。しかし・・・あれ?半分は残しました。「話し合いましょう、200は少なすぎる」にこやかに商談を続けようとする館長。え?でもさ、残ってるのは350ドルとかそのあたりの値段・・・・・・あれ?(考)じゃあ、残したプレートは200ドルの可能性があるって事か・・・全く可能性がないなら全部片付けるものねぇ。でも館長はテーブルに残した。且つ、ネゴる気満々って事は、彼の中では200ドルで「あり」って事。あらら・・・えらい尻尾出しはったな(汗)相手の手の内が見えたようで嬉しかったのですがそこは顔に出さずに、腹の中で次の作戦を立て始めました。つづく。