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カテゴリ:小説
『ジリリリリリ……』 翌朝、置時計のけたたましいアラームで目が覚めた。 バシッと置時計を叩くと、辺りはまた静かな空間に戻る。 「朝か……」 どうやら、いつの間にか眠ってしまったらしい。 時計を見ると、時刻は昼の二時。朝とは到底言えないような時間だったが、俺から言わせれば、眠りから覚めた時は朝なので問題ない。 いつもどおり、朝食兼昼食を取り、いつもどおりコンポで音楽を聴き、いつもどおり予備校の予習をする。 机の脇に置いていた携帯のアラームが鳴り、予備校に行く時間になったことを告げる。予備校と言っても、私服で登校していいワケじゃない。何でも、制服に着替えると いう動作は、私生活と学校生活を分ける為の重要な役割で、つまり、きちんと区切りをつけろと言うことらしい。 着替えを済まし、鞄の中に教科書やら参考書やらを押し込み、家を出た。 外に出るとやけに蒸し暑かった。太陽はこれでもかという程に紫外線をばら撒き、得意げに空に映えている。 自分の部屋はいつもカーテンが閉められているので、外の様子なんか見えない。というより、飽きたから見ない。と、言ったほうが正しい。 窓から見えるのは家々やマンション等の建築物だけで、全く変わり映えしない景色だ。見ても見なくても変わる事が無い。だから俺はいつもカーテンをして、集中できるような空間を作り上げている。 橋のところまで辿り着き、ふと昨夜の事を思い出した。 「……」 意味も無く当たりを見回してしまう。が、やはり夕方でも人通りなんてモノはなく、誰も辺りにはいなかった。 「気のせい、か…」 何となく、彼女が居る気がした。 「……」 一旦足を止め、橋の欄干に手をつき、川の流れを見る。 川といっても用水路だ。壁はコンクリートで固められ、お世辞にも綺麗な水が流れているとは言えない。けれど、そこまで汚れている川というワケでもなく、フナや錦鯉なんかが泳いでいるのも見て取れるし、時期によってはニジマスも泳いでる。この用水路は一級河川と割と近い所で繋がっているため、そこからやってくるのだろう。それに、それほど深いワケでもない。いつも四十センチくらいの水位でしかないし、両端には土が溜まり、僅かだが背の高い草も生えている。 相変わらず外の空気は暑かったが、何故だか幾分涼しくなったように感じた。そして又、時間を確認し、予備校までの道のりを歩んだ。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2008年05月10日 12時08分16秒
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