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カテゴリ:読書
ラッシュライフ (新潮文庫)伊坂幸太郎著 を読了
![]() ラッシュライフ 解説:新潮文庫解説引用 泥棒を生業とする男は新たなカモを物色する。父に自殺された青年は神に憧れる。女性カウンセラーは不倫相手との再婚を企む。職を失い家族に見捨てられた男は野良犬を拾う。幕間には歩くバラバラ死体登場――。並走する四つの物語、交錯する十以上の人生、その果てに待つ意外な未来。不思議な人物、機知に富む会話、先の読めない展開。巧緻な騙し絵のごとき現代の寓話の幕が、今あがる。 作者のプロフィールを含め,新潮社HPは ここ 感想: 五つの人生が最終的に一点に集中する。仙台駅近傍のとあるビルに向かって五つのピースが集結!完成されたジグソウパズルがそのビルで展示されてあるエッシャーの騙し絵である。そんな比喩を楽しむ作品でもあった。 人生,登り階段もあれば下り階段もある。そう,この絵の通り,ゴールがない。人生のルーチンだ・・・ 新潮文庫の作品紹介では「並走する四つの物語」とあるが巻尾の解説者:池上冬樹氏の解説ほ方が正しく思えるので,引用させてもらう。 A:拝金主義者の画商戸田と,彼に振り回される新進の女性画家志奈子 B:空き巣に入ったら必ず盗品のメモを残して被害者の心の軽減をはかる泥棒の黒澤 C:新興宗教の教祖ににひかれている画家志望の河原崎と,指導役の塚本 D:それぞれの配偶者を殺す計画を練る女性精神科医京子と,サッカー選手の青山 E:四十社連続不採用の目にあっている失業者の豊田 この五つのストーリーは「隠し絵」の中の,階段を移動している人達である。興味深い所は,「騙し絵」の中に2名ほど,見物人が描かれている。この2名が白人女性と柴犬に値すると判断した。 白人女性が駅前でスケッチブックに「日本人の好きな漢字」を書いてもらうが,登場人物が書く漢字が微妙に心境の変化を覗かせる。特にラストの豊田が書いた「イッツオールライト!」・・・漢字ではないが,私をホッとさせた。伊坂ワールドってこの当たりだろうな! 感想が巻尾の解説と同じで申し訳ないが,この作品,映画の1シーンを連想せる。 映画好きの方は想像を膨らましてくださいな。 私もいくつかは連想できたが,池上冬樹氏のような気付き方はできなかった。 まだまだ,勉強しなくちゃな!!! お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2008年06月22日 22時02分01秒
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