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カテゴリ:読書
伊坂幸太郎 著 重力ピエロ を読了した。 解説: 兄は泉水、二つ下の弟は春、優しい父、美しい母。家族には、過去に辛い出来事があった。その記憶を抱えて兄弟が大人になった頃、事件は始まる。連続放火と、火事を予見するような謎のグラフィティアートの出現。そしてそのグラフィティアートと遺伝子のルールの奇妙なリンク。謎解きに乗り出した兄が遂に直面する圧倒的な真実とは――。溢れくる未知の感動、小説の奇跡が今ここに。 解説参照したのは ここ 感想: またしても,伊坂ワールド炸裂! ただ,この作品は好き嫌いがハッキリと出てくる作品だろうな。 ミステリーとヒューマンの割合がハッキリしすぎたかな。後者の方がメインとなった。 ミステリーファンのブーイングが聞こえてくるようだ。 私としては,「ラッシュライフ」「アヒルと鴨のコインロッカー」(各々の感想は ここ とここ)の次ぐらいに来る好きな作品となった。 ヒューマン色と言うか,現実には起こりえない設定が寓話っぽくて信憑性には欠ける所もあるが,重いテーマを重く取り上げないようにしてる著者の意向が汲み取れる。 ピエロは,重力を忘れさせるために,メイクをし,玉に乗り,空中ブランコで優雅に空を飛び,時には不恰好に転ぶ。何かを忘れさせるために,だ。・・・その重力に逆らってみるべきではないか。 文中に出てくるこのフレーズで救われた。罪に対しては肯定も否定もしないが,そんなものはどうでも良い。生きる上で,頭の中の整理が付いていれば悔いは残らないよな。 何事にも前向きに向かって行く姿勢に拍手を送りたい。 おまえは俺に似て,嘘が下手だ! この台詞,最高! お父さん,かっこ良いぞ~~~!涙腺が緩んだ瞬間だった。 春がビデオを何回も観た本当の理由を知った時にも涙腺が緩んだなぁ・・・ そこなんだよなぁ・・・それこそが伊坂ワールドだよな。 上辺の「見た目」の中には「本当の理由」がある!そんな事を表現したかったのかな。 伊坂作品に登場する人物は毎回,実に個性派揃いだ。今回も楽しませてもらった。 特に今回の影の主人公は春!犬好きには悪い奴はいないんだよ! 毎回そうだが,主人公が一番まともに見えてくるのが滑稽である。 後は・・・未来を預言する案山子や黒澤が登場してきたのにはニヤリ!でした~~~ ご存知の方はかなりの伊坂ファンだな・・・(爆 始まりと終わりの一行を同じ感覚では読めない! そんな作品だった。 他にもまだ見落としてる所があるんじゃないか??と思わせる・・・ もちろん 推奨作です。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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