日本企業では人手不足を背景に、パートやアルバイトの正社員化を進める動きが相次いでいる。■ パート出身でもCEOを狙える――何人のパート従業員が正社員になる？ 理解してもらいたいのは、日本ではパートタイムとフルタイムという区分をしがちだが、イケア・ジャパンではその考えをなくしていきたいということ。たとえば、育児を始めたり、家族の介護が必要になったり、人間の一生にはライフステージの変化がある。イケア立川店が増税直後にオープンしたことで、新店も大きく売り上げに貢献している。だから今回の制度を設けた。
日本の労働環境はどうなっているのか、イケアの従業員にどういうサービスを提供するべきなのか、時間をかけて徐々に学び、計画を立ててきた。具体的には、安心してイケアとともに頑張っていけるように、同一賃金や福利厚生などの平等性を全従業員に与えていく。38時間勤務になったら今度はマネージャーのポジションにチャレンジしようという気持ちが生まれる。しかし、進出直後のイケアがまったく新しい制度を始めるというのは一般的に難しい。2014年3月末に就任したピーター・リストCEOに話を聞いた。
一人ひとりのヒアリングを基に契約の書き換えを行い、9月から順次、全従業員を正社員としていく。3月は消費増税前の駆け込み消費もあり、2006年のビジネス開始以来、単月記録を突破した。働く形態に関係なく、一人ひとりが能力を発揮し、自ら成長するという目標だ。ポジティブな動きをこの制度から創っていきたい。この制度を導入することで、個人の働き方をより選びやすくする。
CEOのポジションも狙うことができる。ビジネスの成長に応じて土地や店舗への投資が必要なように、人への投資が何よりも重要だ。――正社員化によって具体的にどのような効果を見込んでいるのか。スウェーデン発祥で家具小売り世界最大手のイケア(IKEA)。たとえば、現在週20時間勤務の従業員が週38時間勤務に変えよう、となるかもしれない。
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