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2010年07月30日
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カテゴリ:布川事件
大学の先輩が記録映画を作っている。
布川事件

43年前に茨城県で、一人の男性が殺害された。
犯人はなかなか見つからず、
目撃証言に基づき、二人の青年が逮捕された。

二人は当時、すさんだ生活をしていて、暴行事件や窃盗で別件逮捕。

その後、自白をしたことで、布川の殺人で起訴される。

目撃証言は後にあやふやなものだったことが証明され、
他の物証はいっさい得られないまま、
自白だけが証拠となり
以後、今に至っても、
二人は殺人犯のまま生きている。

今年やっと最高裁で、再審をすることが決まり、
現在、再審裁判が開かれている最中である。


この記録映画を監督している先輩は、
29年の拘禁を経て二人が保釈されてから
13年にわたり取材してきた。


先輩が声をかけてくれて、
ほんの少し、私も映画作りのお手伝いさせていただいている。

13年分のフィルムの編集も大詰めにきて、
先輩はおおいに苦しんでいる。


無罪を勝ち取る再審勝利だけが目的の映画ではない。

冤罪事件が生み出されるしくみを世に訴える目的の映画ではない。

誰にでも降り掛かり得る冤罪の恐ろしさを訴える目的の映画ではない。


二人の冤罪被害者の、
生身の人間自体を撮り続けた記録を主体に構成しているらしい。


でも、やはり、監督は
冤罪の酷さ、法制度の問題点に痛烈な怒りを感じているわけで…。

それを声高に叫ばず、
ただ淡々と、生身の彼らの姿を映す手法ではあるが、
やはりそこは、観た人に感じてほしいわけで…。


私にも監督の苦しみが伝わる。



私は、映画にならない膨大なフィルムを文字に書き起こしてきた。
(それもほんの一部だが)

編集でほとんど切り落とされていく映像に触れ、
私たちが見る映画って、
削ぎ落とし、削ぎ落とされ尽くした、
ほんのほんの一部だけなんだなと知った。

映画作りって、
宝物を選別して宝箱に片付けてしまう作業なんだなって。




御覧のとおり、私はだらだらと駄文を書き連ね、
必要以上に説明をする人間だから、
削ぎ落とす作業は本当につらくなる。

削ぎ落とし、残すものを選別しきる作業を
私もすこし心がけないといけないな。

私にはそれが、まったくできないから、
人生も膨張しっぱなし。

私は、人生自体がゴミ屋敷のようです。


来週から、先輩の雑用を手伝いに行くことにした。

難産の最後に立ち会い、
生み出す瞬間を感じてみたいと思っている。






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最終更新日  2010年07月31日 16時01分16秒
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