『ドルチェ』俺
恥ずかしそうに見つめる瞳。キスの後、赤くなる彼の顔を眺めていた。しびれるように甘く感じる、この感情はなんだろう。「なんで見んの?」釘付けになる俺の視線から逃れるように、向こうをむいてしまった彼を背中から抱きしめる。「・・・もっと、したいなぁって思って。」なるべく耳のそばで、低い声になるように言ってみた。「そんなこと言わなくたってすればいいじゃん。」俺が勝手に?そういうのは嫌だな。逃げ腰の彼をつかまえてひきよせると、俺は、「じゃあして?」といって、低くなり目を閉じた。「な、なにが?」あせる彼を薄目で見て、「ん。」催促するように唇を出す。震える手が俺の頬にふれて、「う・・・動くなよ。」ぎこちなく柔らかい唇が触れた。そのまま、腕をまわしてそっと抱きしめる。「ありがとう。」そして、ひとりでに熱を持つ彼の頬に自分の頬を重ねて、「好きだよ。」髪をなでながら囁いた。 →