蒼の肖像
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夕闇の海に今夜君への手紙をガラス瓶に詰めて送り出しましたいつ届くかはわかりませんだけど君は僕の事を忘れずにいてくれて時おり向こう岸で手紙を探してくれます僕の蒼はすっかりくすんでしまったかもしれないけれどけして枯れてはいないようですそれは君のおかげですやがて流れ着くこの手紙を受け取る君が幸福に暮らしていますように少しでも笑みを浮かべてくれますようにそう思う時に僕もまた幸福を感じるのです
2024年05月16日
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あなたといっしょに歩くことが叶わないから私はあなたの傘にはなれませんだからせめて雨宿りが出来るくらいの軒下になってみたいのです人は悲しみを避けて通れないからひと時でも雨を避けてあげたいでも本当はずっとあなたと寄り添っていたい私はあなたの傘でありたい。。。
あなたの習性や論理は僕とは相容れないものだだけど距離を縮めるうえで透けて見える狡猾さや弱さでさえあなたを構成する養分だと知ってなんだか離れられなくなったんだよそれを愛と呼べるかはまだわかならいけどね
僕らは幸福を求めながらも地の底を這ってきた今も先は見えず息苦しさにあえいでいる雲を掴むようでもあり泥沼をゆっくりと進むような感覚でもある君がいなければ生きていけないと大袈裟ではなく思う毎日君のやさしさは生命の水にように思えるそんな君は僕のことを優しいと言ってくれるねぇ君僕のことを少しでも優しいと思ってくれるならそれは間違いなく君のおかげなんだよ
年老いた私の母親はすっかり周りを困らせるようになった父は死に妹は嫁ぎ家を出て離れで暮らす母親は孤独を紛らわすように誰かを呼び何かを欲しがり我が儘を言うそんな母親がある日に四国産のオレンジジュースを私にくれたなかなか手に入らないから他の家族に渡さずにあんたがここで飲んでくれと言うなんともいじらしく愚かしくも感じるのだが年を取っても無邪気な母親に幾何かのやさしさと愛おしさをおぼえたのであった