2019/07/23(火)14:19
外国語の歌コンクール
C中学校教師のジヘ先生から、
「はんらセンセ~!
うちの学校でも『外国語の歌コンクール』をやることになったから、
審査員で来てよ~。
今年はペイ出すわ!」
と電話が来たので、行ってきた。
ジヘ先生については、こちら。
そして、外国語の歌コンクールについては、こちらを参照してくださいな。
前の学校でも好評だったアレをやるんですね!^^
前のF中学校は、全校生徒が830人。
今度のC中学校は、全校生徒が64人だって。
12分の1の小さな学校だ。
C中学校まで行くには、バスを乗り換えて行かなければならない。
田舎のほうなので、バスも30分に1本。
韓国の地方都市のバスは故障することも多いし、
勝手に1本抜けちゃうこともある。
遅刻したら大変だから、余裕を持って時間ギリギリじゃなく1本早いバスに乗った。
田舎道をバスはズンズン進んで行った。
到着~
ホントに田舎でな~んにもないわ!
学校の近くのコンビニでコーヒーでも飲みながら時間をつぶそうと思ってたのに、
学校の隣は、廃業したガソリンスタンド(よしくんが好きそう~)。
学校の真ん前はこんな感じ。
仕方なく、随分早い時間に学校についてしまい、
行政室に案内されて待ってると、
行政室の室長さんだという男性が
「ボク、1年間、休職して日本に留学に行ってきたんです!」
と、フレンドリーに話しかけてきた。
東京で1年間、暮らしてきたんだそう。
日本語もお上手でしたよ。
日本語であれこれお話してるうちにコンクールの時間が近づいてきた。
日本語審査員の席に案内された。
小さな学校で、ネイティブの英語教師は週1回、市から派遣されて授業を受け持ってるらしい。
だから、英語の歌を歌う学生は多い。
でも、放課後授業がこれまで全くなかったんだって。
だから日本語や中国語ができる学生はいなくて、
日本語3曲のうち2曲までは教師が、
中国語2曲のうち1曲も教師だった。
これが第1回目なのでこれからだよね。
ジヘ先生は、
田舎の学校は国からたくさんの援助金が出てるのに、
学生たちにお菓子を買ってあげるとか、
そんなことにしかお金を使ってこなかったと、
大層、腹を立ててた。
「2学期からはまずは放課後授業を10科目、開講するわ!
はんら先生、日本語の授業をお願いね!」
と、鼻息荒く、燃えてたわ。
国から予算が下りるなら、
学生がいなくて閉講になるということもないんでしょう。
日本語の採点表。
あ~、惜しいっ!
「点数」の漢字が旧文字になっちゃうのは仕方ないとして、
「内容の共感も」じゃなくて「内容の共感度」
「観客人気も」じゃなくて「観客人気度」じゃ~!
舞台にある装飾品やライトにすごく見覚えがあった。
あとでジヘ先生に聞いてみると、
やっぱり、ジヘ先生の家のものだった。
学校に下りてきている援助金を間食費などにばかり使って、
何の行事もイベントもやってきてないので、
行事に使える備品も何もないんだそう。
小さい学校でいいことは、
ほとんど全員が、舞台に立てたこと。
日本語は、最初に英語の教師が歌ったんだけど、
この英語教師も日本語がぺらぺら。
日本のドラマや歌謡曲が好きで、日本語が上手なんだそう。
「でも読めないです」
だそう。^^;
そして、
ジヘ先生がこんなつばの広いお帽子で、
こんな背景を背負って登場したので、観客席は大いに沸いた。
ジヘ先生のところは、小学生の息子2人も日本語ができるので、
動画で日本語の歌を披露。
「小学生でも日本語ができるんだから、
アナタたちもガンバレ!」
というメッセージ?
今学期限りでこの学校を去るという(定年退職かな?)
校長先生が最後に自慢のサックスの腕前を披露。
お上手でした。
そして、
「学生たちが自ら準備し、全員が参加して、このような行事を行なえたことは本当に素晴らしいこと」
ととても喜んでおられました。
帰り、ジヘ先生の車で送ってもらったんだけど、
C中学校の教務部長が、国からの援助金で学生たちにお菓子を買い与えていた張本人で、
ジヘ先生のような熱血先生がやってきたことが
すごく気に入らない模様で、
今回の行事も、何かと足を引っ張るようなことをしてきたらしい。
「あの教務部長を早く追い出してやる!」
と、やはり鼻息荒いジヘ先生なのでした。
C中学校は今、中3が2クラス、中2と中1が1クラスずつ。
中3生が卒業したら、全校学生数は半分に。
そして少子化で、来年の新入生の見込みも1桁数なんだそう。
このままじゃ、閉校になっちゃう!!!
と、心配したジヘ先生。
今回の行事は、近所の小学校の校長先生たちも招待して開かれた。
小学校の校長先生たちに、C中学校はいい学校だと認めてもらい、
多くの新入生を送り込んでもらおうと思ってのことだという。
2学期、教務部長の迫害にも負けず、無事、日本語講座も開講されたら、
このド田舎の中学校にも通うことになりそうだ。