【父親が息子に伝えるマンション学】

今月の本のご紹介です。

「マンションの資産価値を高める本」著者：中島猷一　講談社

この本のテーマは
『資産価値の高いマンションとはお金持ちのマンションのこと』
だと思います。（私の勝手な感想です）

どんなによい立地にあってもお金の無いマンションは
資産価値が低いと言うことです。

「じゃ、お金持ちのマンションってどういうマンションなの？」
ということですが・・・。

マンションを購入した人は管理費と修繕積立金を毎月払います。

金持ちマンションとは
修繕積立金がたくさんあるかどうかでわかると言うことです。

簡単に言うとマンションとしての貯金が
いっぱいあった方が金持ち。

あたり前の事ですが、なかなか住民がそれを意識していることは少ないんです。

修繕積立金が十分に積み立てられているマンションは
借金をすることなく大規模修繕ができます。

するとマンションのハードとしての価値は保たれ続け
マンションのスラム化を予防できる。

だから積立金こそマンションの資産価値を上げる為の
命綱だと言っています。

さらに大事なのは、マンション住民の意識です。

「みんな自分のマンションに関心が無くて」
「どうしたら関心を持ってもらえるんだろう？」

こんな相談が、ある管理組合の理事長からありました。



「あなたのマンションには桜の木があるか。」

「なければ駐車場を一台分つぶして植えなさい」

「そして、1年に1回住人が集まって桜を見ながら一杯やればいい」

「そうすれば無関心層も少なくなるのでは。」

そんなアドバイスをしたそうです。

さらに

「年末に餅つきをやったらどうか」
子供たちが集まってきてお互いの家族もわかるようになる。

次には、そのマンションは戸数が300戸規模のマンションだったので婦人部がマンション内でお米を売ることにした。

直接新潟の農家から仕入れをして
スーパーよりも安い値段で売った。

すると近所の人も買いに来るようになり、
売上が伸びお金が貯まった。

そのたまったお金をマンションの積立金に回せるようになった。

その様にして工夫と創意で大変潤った
マンション運営ができるようになったそうです。

マンションの資産価値を高めるのは
マンションの貯金と言われる積立金をいかに増やすか。

そして貯金を増やす為に自分たちがマンション運営をどう工夫していけばよいのか。

「それはマンションごとにやり方がたくさんあるのだ」
と言うことで気づきとすぐに取りかかりたくなるような
事例の多い本でした。

金持ちマンションは積立金のたくさんあるマンション。

これからちょっと積立金の額を意識してみよう。

＊＊＊
追伸

中古マンションは奥が深い。

それに比べ新築マンションは楽。

なんと行っても建物ができるのもこれから、
管理組合ができるのもこれから。

それだけに購入する時は新築はリスキーな部分が多い。

なんでか？

どんな人たちが一緒に住むことになるのか。
どんな建物ができるのか。
眺めは。
隣の人は。
上の人は。
判らない。。。

新築マンションを購入する人は
そんなことは何となく感じているはず。

でも
でも嫌なことは先延ばし。
考えたくない。
見たくない。

そして住んだ後に感じていた不安が表面化し始める。



中古はすでに建物も管理組合もある。

購入する時は悩むかもしれないがリスクは新築に比べずっと少ない。

その分中古を購入する人のほうが悩む。
人のほうが多い。


何も考えない。
考えることを人任せ。

これがマンション購入の一番の危険な部分。

自分で情報を集め
リスクとメリットを考えその上で購入する。

言うのは簡単でも実際には難しい。

だから新築が売れるのだ。