カテゴリ:時評
アメリカの消費者物価指数は8%、日本の企業間取引物価指数は過去最大の9%。食品や衣類など、輸入や現地生産が大半を占める日本の消費者物価も、今のところは企業が割を食っているが、いつまでもそうはしていられないだろう。
おそらく、5~7%の物価高は避けられないのかな、と考えている。何しろドルベースの取引だと、それだけで100円のものを150円で購入して日本で売ることになる。しかもアメリカやヨーロッパなど世界中で物価が上がっているのだから、2倍の価格で購入しなければならなくなっても不思議はない。原油価格が上がっていたころのガソリン小売価格を思いだせば、すぐ分かることだ。 そうなると、庶民の生活は大変なことになる。実際、スーパーに買い物に行っても、今までより千円くらいトータルの金額は高い。それでいて、収入は何も変わっていない。このまま物価高が続くと、「相対的貧困」などではなく「絶対的貧困」が日本に現れる。すでに、高齢者のスーパーでの万引きなど、食べるための犯罪が多発している。平均的なサラリーマンの年金、14万円では生活を賄えるとは思えない。今までは「食べるだけでやっと」という人たちが「食べることもできない」という状態に落とし込まれていくだろう。 最低賃金は政策的に引き上げられたが、中小零細企業は、その最低賃金すら払うのが苦しい。生き残るための最後の手段としてリストラ、給与引き下げを選択せざるを恵えなくなる。最低賃金の引き上げは、そういう負の側面を持つ。それを無責任な野党のように「まだ、不十分」と言うのは簡単だが、実際の経済は机上の数字をいじってもよくなりはしない。 このまま手をこまねいていては、日本は間違いなく先進国から脱落し、円はますます信用を失い、安い通貨に成り下がる。物価は、気がつけば庶民感覚では2倍になっている。 来年の今ころには、そういう嫌な時代がやってきそうな気がするのだが、杞憂であってほしい。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2022.09.16 06:53:58
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