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セミリアイア「晩年」日記

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2023.06.05
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カテゴリ:旅行日記
​​昨夜は、懇親会で飲み過ぎ、フラフラ状態でホテルに帰ったのが10時。それから、少しゆっくりしてすぐ寝たのだが、アタマが興奮状態で、激しく夢を見ていた。どんな夢だったかは、まったく覚えていない。

「クラシック部門Cコース。全国出場者は3番、4番です」というアナウンス。「あ、やっぱりダメだったのね」と思った。最初の二人は、曲の難度が高く、自分の「トロイメライ」は指が回らないことはない平易な曲だ。フィギュアスケートで言えば、前の二人はトリプルアクセル、自分のはダブルくらいの差がある。

「ポピュラー・ジャズ部門Bコース。全国出場は26番」何と、妻の「糸」が1位、全国。ちょっと途中で躓いても何とか踏ん張り、最後の方で弾き直しもあったが、音色はよかったし、ひょっとしたら、と思っていた。「やったね!」という感じ。「江戸の敵を長崎で」討った。諺の意味は違うけど、そんなフレーズが頭に浮かんだ。

最後に出場者全員で写真撮影。11月3日が各部門ABコースの全国大会。
急いで手帳を確認すると11月3日は金曜日、これは有休を2日、木曜日にとって、かねてから妻が行きたがっていたディズニーシーも取れたら、4泊お江戸ツアーだな、と思う。

そして、一端ロビーに集合し、審査員講評の紙を一人一人に渡してくれた。見ると、一人はそこそこの評価、一人は酷い。まあ、教育大音楽の卒業というから、聴く耳がない。最後の一人は
すべての項目が○、満点の評価だ。「音の響きをよく聴いていて、素晴らしい演奏でした」と書いてある。ああ、少なくとも一人には自分の狙ったところは分かってくれたんだ、と思った。

そして、「全国出場の方に、改めて優秀賞の賞状を差し上げます」というアナウンス。ステージ上で表彰されたのは各部門1位だけだった。

すると、何だか自分の名前を呼んでいる。最初は妻にもう渡したのに、勘違いしたのだと思ったが、二回目は下の名前もはっきりと。疑心暗鬼で行ってみると、間違いなく自分の名前が書かれた優秀賞の賞状が。「え?さっき番号、呼ばれなかったんだけど、本当ですか?」思わず聞き返した。「いえ、ちゃんと呼びました」「絶対呼ばれてません!」「ひょっとしたら、読み飛ばしたかも……すみません」

まあ、冷静になって考えると、一人が満点をつけたのに、全国の基準に届かないはずはないのだった。

というわけで、めでたく二人とも全国出場となった。

その後、審査員のミニライブがあって
懇親会へ。審査員演奏は、正直、上手くはなかった。これならオレでも弾けるねと思った曲もある。そんなんでよく審査できるね、と思った。住所の「南」と「西」を勘違いして、4ブロックほど歩かされたところで逆戻り。何だか、とても手際が悪い。

しかし、懇親会は楽しかった。聴衆投票で1位だった72歳の男性は、娘さんの言語コミュニケーション障害の音楽療法がきっかけで、四十代でピアノを開始。娘さんはピアノパラリンピックにまで出たそうだ。『ひまわり』を見事に弾いていた。すごくいいアレンジで、「誰のアレンジですか?」と聞くと「中村八大」です、と。今度、自分も楽譜を手に入れたい。

まったくの独学で「幻想即興曲」を弾いた男性は、学生時代、ギターやドラムでバンドをやっていたそうで、「何、やってました?」と聞いたら、「そりゃ、もうハードロック」と即答。「いや、ボクもディープパープルとかやってたんですよ。あのオルガンが凄くて、大好きでした」とすっかり意気投合。東京での再会を約束した。

それから、てっきり十代かなと思った「エリーゼのために」を演奏した保育士さんは「私、『エリーゼコンクール』っていうから『エリーゼのために』しか弾いちゃダメなんだと思って」と。一同大爆笑。自分は「いやあ、若く見えるよね。高校生だと思った。オマエ、ビールなんか飲んでいいのかって」などと、軽口を叩くくらいに酔っていたのだった。





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最終更新日  2023.06.06 06:17:20
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