星野有理の公開するし更改するが後悔したくない航海日誌

ロンドンの情報誌が「最も偉大な音楽映画ベスト50」を発表。

実家には以前レーザーディスクのプレーヤーがあったのだが
（もう壊れてしまって処分した）、
最初に買ったソフトは、
「偉大な音楽映画ベスト50」の2位にもなっている
ボブ・ディランの『ドント・ルック・バック』だった。

1位の『Superstar: the Karen Carpenter Story』は
未見なので観てみたい。

47位にアキ・カウリスマキ監督の
『レニングラード・カウボーイズ・ゴー・アメリカ』が
入っていたが、
個人的にはもっと上位でもいいぐらいだ。
当初スリーピー・スリーパーズという名前のバンドが
監督の創作した架空のバンドを演じていたのだが、
『レニングラード・カウボーイズ　モーゼに会う』の後も
映画の名前のまま活動していたので
実在のミュージシャンの映画ということになるのだろう。
「嘘から出た真」とでも言うべきか。

今年8月にトニー・ウィルソンが亡くなった際に
ここの日記でも触れた『24アワー・パーティ・ピープル』が
4位というのが意外だったが、
掲載誌がタイムアウト・ロンドンという事で、
その読者層を反映しているのかもしない。

そのせいかゴダールの『ワン・プラス・ワン』、
レイ・チャールズの伝記映画『Ray』は入っていなかったし、
プリンスの『サイン・オブ・ザ・タイムズ』は入っているが、
『パープルレイン』は入っていない。

ビートルズは『ビートルズがやってくるヤァ！ヤァ！ヤァ！
（A Hard Day's Night）』は入っているが、
『HELP! 4人はアイドル』、『マジカル・ミステリー・ツアー』、
『イエロー・サブマリン』、『レット・イット・ビー』、
ジョン・レノンの『イマジン』は入っていなかった。

ザ・フーの『トミー』、『キッズ・アー・オールライト』、
ピンク・フロイド『ザ・ウォール』、
ジャニス・ジョプリンのドキュメント『ジャニス』、
クラウス・ノミ『ノミ・ソング』、
ジョニー・キャッシュを描いた
『ウォーク・ザ・ライン 君につづく道』も入っていなかった。

『バード』や『ラウンド・ミッド・ナイト』は入っているのに、
セロニアス・モンクの『ストレート・ノー・チェイサー』や
『ベニー・グッドマン物語』は入っていなかった。

マイケル・ジャクソンの『ムーン・ウォーカー』が
入らないのは分かるけど（笑）。

音楽映画といってもあくまで
実在したミュージシャンを扱ったドラマや
ドキュメンタリーを対象にしたものということで、
架空のミュージシャンの映画は入っていないが、
『ローズ』、『ブルース・ブラザーズ』、
『グレイス・オブ・マイ・ハート』、
『ベルベット・ゴールドマイン』、
『バンドワゴン』、『スティル・クレイジー』、
『ザ・コミットメンツ』、『あの頃ペニー・レインと』、
『ヘドウィグ・アンド・アングリーインチ』、
『ドリームガールズ』といった作品は、
モデルとなったミュージシャンがいたりして
下手な伝記やドキュメンタリーより
「音楽映画」として楽しめるだろう。

音楽を題材にした映画といえば
『スクール・オブ・ロック』や『コーラス』
『ブラス！』もあった。

日本で実在のミュージシャンの映画というと
YMO『プロパガンダ』や
ムーンライダーズ『マニアの受難』がありますな。
井筒監督の『サディスティック・ミカ・バンド』は今週末公開。
スカパラのドキュメンタリー『SMILE』の牧野耕一監督による
カーネーションの映画『ROCK LOVE』は11月24日公開。