カテゴリ:Night
ずぶ濡れにはなったが帰り着くことができてほっとしていると、軽い睡魔が襲ってくる。
一時間ぐらい眠ろうと横になったが、気が付くと午前3時前。 半分寝ぼけた頭でテレビをつけると、コンパスでイタズラ書きされたような日本が映っていた。 昨日はかなり早い段階で休校が決定した。 教頭は授業をやりたがり、校長は規定よりも早めに休校を決めることに難色を示したが、 ベテランの先生の生徒に万一のことがあった時責任はどうするんだという一言で、 渋々ながらも休校の決断をした。 今回初めて気が付いたのだが、台風などの災害時のマニュアルでは 生徒が学校に「来る」時の安全に配慮した規定はあるのだが、 学校から「帰る」時の安全に配慮した規定はどこにもない。 何時の時点で大雨警報や暴風警報が出ていた場合は臨時休校や始業時間を遅らせるという 規定はあるのに、授業中に警報が出たり出そうになった場合はどうするのかはないのだ。 本当はあるのかもしれないが、少なくともこの学校で知っている人はいない。 全ては現場の判断ということになっているのだろうけど、 上層部がなかなか決断したがらないところだと、手遅れにもなりかねない。 そんな苛立ちを頭のすみに置きながら、休校のことを生徒に連絡する。 と言っても、半分くらいの生徒は台風が近づいているのにフラフラ歩き回っているのか、 連絡がつかない。連絡がついた生徒に、他の生徒へケータイで連絡するよう頼んで、 後は待機することとなった。 連絡がつかなかった生徒の顔が何人か頭に浮かぶ。 いつも遅刻したりサボったりしているのに、こんな日に限って気まぐれを起こして 学校に来ようなんて考えるなよ、と思うのだが、考えれば考えるほど その生徒が現れそうな気がして、不安になる。 いつもより早めに暗くなった空の下で、雨と風が強くなっていく。 雨は窓を勢いよく洗い、風の音に混じって5時を告げる音楽が微かに聞こえてきた。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2004.10.21 04:36:45
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