カテゴリ:Midnight
時計の長針がゆっくりと弧を描いて、日付が一つ前に進む。
今日という日は昨日から続くもので、時はその連続性を積み重ねたものだ。新しい一日が積み重なることで今日という日は昨日に変わり、日が積み重なるにつれて、かつて今日と呼ばれた日は過去と呼ばれる積み重ねの中に埋没し、その日はおぼろげに霞んでいく。 だが、中には過去の中に積み重なっても、あるいは積み重なることで、その存在が過去の山の中から浮かび上がり、様々なものを振り返る人たちに投げかけてくる。 1995年1月17日午前5時46分── あの朝のことは、以前の日記に書いたことがある。 今でも鮮烈に憶えてはいるが、僕の中では既に過去になりつつあるあの日も、今でもその日の上に新しい日を積み重ねることを苦しく思う人々がいて、今でもその日に苦しんでいる人々もいる。 彼は、この夜は徹夜することにしている、と言っていた。 同じ街に住んでいた者として、せめてあの時を起きたままで迎えたい、と。 彼は今夜、どんなことを思って過ごすのだろうか。 誰のことを思って過ごすのだろうか。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2005.01.17 00:43:56
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