駆け出し記者の一期一会

2007/10/21(日)13:55

エディターとのコミュニケーション

書く(12)

水曜日は木曜&金曜に学芸部が出しているカルチャー関係の紙面の〆切なので忙しい。 映画・音楽・アート・グルメ・旅・その他イベント&エンターテインメント… で、私は毎度のように展覧会のページと格闘するのである。 いつも「来週こそはもう少し余裕もってできるようにしよう」と思うのだが、 結局、チェックやら修正やらレイアウトの変更やらで当日はすったもんだ。 気がついたら、5時前まで一歩も社外に出られず、なんてことも。は~あ、つかれた。 今週の場合、夏目漱石展は実際に見に行ったので、まあまあOKだったが、 ムンク展はまだ始まっていないので、リリースを頼りに書いたら、 これがどうもうまく行かなかった。 今回のムンク展は、有名な「叫び」のような不安や絶望といった テーマだけでとらえるのではなく、 それらの作品を組み合わせて部屋や建物の装飾にしようとしたムンクの意図に スポットを当てるというもの。 ムンクは自分の作品を門型に並べて、一連の意味のあるメッセージとして 空間を飾ろうとしたようだ。なかなか興味引かれる。 が、それを英語にするのが難しい。 「エドヴァルド・ムンク ― 装飾プロジェクト」 という英語のタイトルのあと、 「この画家をこれまでと違った角度で見る」 とやったら、全部消された。 エディター曰く 「どんな展覧会だって、今までと違った見方をするに決まってるじゃないか」 そうですね。。おっしゃる通り。 「そのー、装飾ということにスポットをあてるのが今までと違うみたいなんですけど、 タイトルとかぶると思いまして」 エディターはうーんと考えてから、 「漠然として何の意味もないことを書くよりは、多少繰り返しになったほうがまし」 と言って、 「ムンクを装飾画家として見る」に直した。はい。 エディターは日本語のプレスリリースを読めない。 だから展覧会の内容を知らない。 日本語のリリースを読んでいるのは私だけ。 でも、私はそれをうまく英語で伝えられない。 しかも、リリースをただ翻訳するのはダメなのだ。 見に行って自分なりに消化して紹介するほうがずっといいなあ。 しかし、「もうすぐ始まります」という告知も大事なのだ。 ムンクの作品たちはどのようにアレンジされてインテリアになったのか? 「叫び」みたいな絵を部屋に飾るってどうなんだろうね? 依頼主のほうで却下したケースもあるようだ。子ども部屋にふさわしくないと。 オスロ大学講堂とかオスロ市庁舎の壁画のための下書きやスケッチも展示される。 公共の場もムンクの絵で飾ったんですね。さすがノルウェー。 国立西洋美術館にて10月6日から始まります。

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