英字新聞の日本人ライター
先週は金曜日に記事が2つ載ったので、〆切までなかなか大変だった。1つは音楽面に、もう1つはイベント告知欄に。もともとは一緒の予定ではなかったのだが、紙面の都合で片方が今週にずれ込んだのだ。毎度、自分が出したものが最終的にどのような文章になるのかを見るのは面白い。日本語の媒体だとどの程度変えられるのか知らないが、なにせ、どこまで行っても母国語ではないし、私のような駆け出しだとそれこそ「これは誰の文章か?」と思うほどのケースもある。日本語で書かれたプレスリリースを読んだのは私だけ、実際に取材に行ったりインタビューしているのも私だけ、という誇りは保ちつつも、まず、語学チェックを受ける。記事のまとめ方についても、字数の制約の中でどんどん削られ練り直され、勉強になる。ま、これは、日本語で書く記者でもきっとそうだろう。この頃は自分が書いたものがかなり残っているので、ちょっとは進歩したと思いたいが、段落の順序が大幅に入れ替わっていたりすると、なるほどーと感心するし、同じ内容をもっとこなれた英語の言い回しに変えてくれたりすると、まずは辞書で確かめてから(!) そっか、いいねえ!Thank you!・・・なんて、やっぱりまだまだ未熟者。。たとえば、His performance, featuring passages like repeating waves and melancholic melodies, reminds us the idea of eternity and reveals our inner feelings which are hidden in our everyday life.(寄せては返す波のようなパッセージやメランコリックなメロディーを特徴とする彼の演奏は、私たちに永遠の感覚を思い起こさせ、また、日々の生活で隠されている内なる思いを明らかにする)と、無理無理書いてみた部分は次のようになっていた。The performances feature passages that resemble the steady crashing of waves along with melancholic melodies that can reveal feellings we harbor deep inside.いつもの音楽担当エディターが休暇中のため、今回は外信部の若いエディターが助っ人に来てくれたのだが、「永遠の感覚が必ず思い起こされるんですか?そうじゃないですよね?それに、仮に思い起こされたとしてもそういうのって口に出しませんよね?だからこんな感じに変えてみました」と言った。で、見ると、revealの前にcanが入って断定するのを避けているし、feelings that we harbor deep inside という言い方になっている。なるほど~そういうふうに言うんだねー。harbor=港 だが、動詞として使う時には、何かをかくまうとか、何かに隠れ場所を与えるという意味になるのだ。深く内に秘めた思い、なんですね。。また、「寄せては返す波」を私はrepeating wavesとしか書けなかったが、the steady crashing of waves という言い回しに変えてくれている。美しい!さすが、ネイティブだ。感謝!いや、私ももっと英語の本をたくさん読んでこなれた言い回しをいろいろ仕入れなければ…!まず最低でもエディターに伝わる英語でまとめることが肝心である。以前は、What are you talking about?なんて言われてしまうこともあった。なんのことだかわからないというわけだ。この頃は、少なくとも「なんのことだかはわかる」ようだ。拙くとも。。最終的には、読者になんらかの魅力ある情報やアイデアを伝えることが目的であるから、ネイティブのエディターと協力して記事をまとめあげ、所期のメッセージを発せられていたら幸いである。