カテゴリ:日常
●ケガの知らせ
出勤しない月曜日の夕方。 家でインドの人形劇の紹介記事を書いていたら 電話が鳴った。次男が通う中学校からだ。 「部活で練習中に転んで足をひねったようです。かかりつけの病院はどこですか」 一瞬パニック!!落ち着け、落ち着かなきゃ。保険証だ。お金も。 三男に留守番させて自転車で飛び出す。 ●病院へ担ぎ込む 彼は担架で運ばれてきた。 サッカー部の顧問の先生、クラスの副担任など、 男の先生が交代で担いでくれた。 思ったよりひどいようだ。 左足があさって向いている。 ちょっと動かすだけで、激痛にうめく。 「あーこれは、完全に折れてますね」 診察するなり、医者は言った。 ●阿鼻叫喚 扉の向こうから、恐ろしい叫び声がする。 麻酔してもあんなに痛いんだ。。。 代わってやりたくても何もできない。 手を合わせて祈るばかり…… 「元の位置に戻りましたよ。これを早くやらないと固まっちゃうんでね。 よく我慢しました。頑張ったね」 夫も駆けつけ、一緒に説明を聞く。 脚の骨は、頚骨という太い骨とその脇にある細い腓骨から成る。 その両方が折れてしまってて、全治最低6週間。 「処置が早かったからよかった。おとなしくしていればちゃんと元通りに治りますよ」 そう言ってもらってようやくホッとする。 左の膝上あたりからギプスで固めて当分は車椅子。 はぁ~大変なことになったものだ。 ●医は仁術 その夜。遅い夕食を終えた頃、また電話が鳴った。 「わたくし、K川整形外科と言いますがー、いかがですか? おうちに帰られてから大丈夫そうですか?麻酔が切れてきたら 今夜は痛がるかもしれませんが、何か変わったことがあったら、 ご連絡ください。自宅の番号もお伝えしておきます。ではお大事に」 へえーえ、なんと心強いこと。こんな先生に当たって幸運だった。 ●クラスメート達 火曜日朝一番で再び病院で診せたら、 とくに異常はなく、学校にも行けると言う。 車椅子で学校に着いたのは1時間目が終わる頃だった。 4階の教室までエレベータはなく、階段だけ。 声をかけてもらったら、男子生徒が10人ぐらい ダーーッと玄関まで駆け下りてきた。 「大丈夫か」 「反対側だれか肩貸して」 「オレ車椅子持っていくよ」 「じゃオレはバッグ」 友達の優しさが身にしみるね。。次男は神妙な顔。 学校で無事に過ごせるかなあ? 教室の移動は大丈夫だろうか? トイレは行けるかな? 心配だったけれど、学校を後にする。 ●仕事へ 出勤して事情を話す。 とにかく今週の展覧会ページを仕上げなきゃ。 インドの人形劇の続きも書かねば。 学校に迎えに行く時間までに終わらせなきゃ。 昨日からの緊張と疲労で頭が働かない。 放課後、学校へ迎えに行く。 当分これを毎日やらざるを得ない。 勤務時間も調整しなくては。 上司や同僚の配慮がありがたかった。 ●介護 当事者になってみて初めてわかる車椅子の大変さ。 中学生を乗せて教科書を背負うと重い。 世の中、バリアフリーじゃないね。 歩道のない道路では、クルマが怖い。 起き上がったり、椅子に座ったり、トイレに行ったり、 今は一人ではできない。 本人はもちろんつらいだろう 介護する人間だって大変だ。 ●人間らしい生活 今日は金曜日。 私がいつも行っている近所の美容室へ連れて行く。 彼がいつも行っているところは階段があるから。 5日ぶりで髪を洗ってもらった。 もっと早く洗ってやりたかったが、家ではなかなかできなかった。 ついでに伸び放題の髪をカットしてもらった。 「ああ気持ちよかった。温泉みたいだった」 むさくるしい顔がスッキリ爽やかになった。 なんとか週末まで乗り切った。 一日一日クリアしていこう。 この試練にも何か意味があるに違いない。 いつだってこういうことがありうる。 子どものこと。仕事のこと。 無理をしてはいけないという戒めだ。きっと。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2007年11月19日 21時12分13秒
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