濃度約0.9%
ある時、ふと考える。あの時のあれは涙であっただろうかと。痛みも悲しみもない酷く綺麗なあれは。涙と呼ぶには感情が欠落しすぎていた。何もない風を装って生きていけるんだと知った。あなたがいなくても。誰が見ても楽しそうな笑顔貼り付けて複雑骨折をした。治りが悪いんだってさ、あれ。燻っていた火が・・・音もなく浸食を進める。何でできていたかわからないけど、炭化した。すいません。底が抜けそうなんですけど?あ、ごめんなさい。ありがとうございます。温度のなくなった音が永遠とも知れない羅列を作る。紡がなければ沈黙が食い破った喧騒を吐いて捨てるまでの濃度約0.9%の二筋。