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カテゴリ:美術 絵画 教室
とても力強い作品になりました。 イメージはどこか貝に繋がるオルガニックな形、或いは動物の骨格といった、強固さを感じるなかに不思議な親密さを感じる不思議な表現になっています。 濵田くるりさんは表現の中に抽象的なイメージを加味したいという思いを強く持っているようです。それは描く対象物を見たままに正確に表現することに対して、疑問を感じ始めたことからスタートしているようです。 卓上、静物、人物デッサンを繰り返し練習しているうちに、自分は一体何を求めて表現しているのか、何を表現しているのか、美術、または芸術に対して基本的な意義に対して疑問を感じ始めたのでしょう。そっくりそのまま見えたままの姿を画面に写し取ることが絵画の目的なのかという疑問が湧き上がったのでしょう。 美術の歴史は太古の時代から絶えることなくずっと続いています。それぞれの時代によって美術の持つ社会的役割も変化してきました。一人の人間としても絵画的表現する目的も変化を続けています。見えるものを正確に表現する、また見えるものを正確に写し取ることが基本であるということさえも変化している現在なのかもしれません。 濵田くるりさんはそのことに対して自身の心の中に大きな葛藤を感じたようです。自分は一体何を求めているのか? 表現を通して自身の見ようとしているのは何なのか? 自分の心と真摯に向き合い、問いかけ、試行錯誤をしているのがこの作品から強く感じます。 当然、答えはまだ見つかっていません。その答えに辿り着くには何年もかかるかもしれません。 でも自分の心と向き合い、そして必死でその答えを見つけようとする姿勢が作品に強さを植え付け、周りの鑑賞者を感動させるエネルギーを見せるのではないかと思います。正確に写真のように見える作品から受ける驚きだけの表現ではなく、濵田くるりさん自身の心を生に感じる表現から受ける心の高揚感がここからスタートするような気がしています。 今回は作品の技術的な特徴とか優れた箇所は書きません。ただ濵田くるりさんの美術に対して歩もうとしている道は間違ってなく、王道を進んでいることをはっきりと感じていることを明記したいと思います。 よく頑張りました、濵田くるりさん! お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2024/11/04 04:28:36 PM
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