|
テーマ:心の病(7308)
カテゴリ:心と体
本当は先週行うはずだったカウンセリングのワーク、
風邪でお休みしたので今週に持ち越しになった。 で、今日は「未来の自分」に会いに行くというワークを行った。 いつもどおり、思い切り倒したリクライニングシートに座って、 目を閉じ、催眠状態に入る。 カウンセラーの1から10のカウントダウンの声に導かれ、 ゆっくりと体の力をぬいていく。 すっかり体がリラックスしたところで、今度はカウントアップの声に導かれて、 階段を下りていく。 目の前に広がるのは青空と緑の丘。 そこをくだる途中には洞窟がある。 洞窟を進むと、目の前にはひとつの扉。 「自分の光と影」の時にも訪れた、自分のお気に入りの丸い部屋だ。 前に来た時と同じように、壁面は本棚で覆われ、ワインセラーいっぱいのワインときれいに磨かれたワイングラス。 部屋のほぼ中央には、ゆったりとしたイスが置かれ、サイドテーブルに読みかけの本。 以前来た時と違うのは、きれいに飾り付けられたクリスマスツリーと、 ビーズやいろいろなモチーフが収められた棚。 確かに、サイドテーブルも、前回より大きくなってビーズの作業用にも使えそう。 カウンセラーの声が、未来の自分が待つ部屋への扉を探すように導く。 それは、クリスマスツリーの向こう側の白い扉。 そっと開けると、石造りの小さな部屋の中、ロッキングチェアに座った老婦人が待っていた。 婦人は立ち上がって私を出迎えるように手をさしだした。 白髪交じりの髪を短くまとめ、しわに年輪を刻みながらも潤いを失っていないその顔。 しゃんと伸びた背筋に、差し出した手も彼女を若く見せているのだろう。 私の第一印象より、ひょっとしたらずっと年上なのかもしれない。 その部屋も、石造りといえども大きな暖炉に明々と火がともり、 暖色でまとめられたインテリアとともに、とても暖かく居心地のよさを感じた。 その部屋に、イスはひとつしかなかったので、 私は本棚の部屋から自分のイスを持ってきて、彼女の向かい側に座る。 彼女の笑顔は穏やかで暖かく、今、彼女が幸せだってことが伝わってくる。 ふと思い立って、自分の部屋からワインを持って来ようとする私を押しとどめて、 彼女は、部屋の隅の棚からウイスキーの瓶とふたつのテイスティンググラスを持ってきた。 アイラ島のシングルモルト。 私の思う「大人のお酒」 静かに注がれるトロリとした琥珀色の液体。 豊かな樽香が広がり、熟成された丸みのある味が私を幸せな気分にさせる。 「ね、おいしいでしょ?」 瞳だけで彼女が語りかける。 うなづく私。 それは、私が彼女に提供しようとしたワインよりも長い時間熟成されてきたであろう、そして味に深みをもたせてきたであろうお酒。 混じりけのないモルトを、受け継がれてきた技術で、受け継がれてきた樽で熟成させたお酒。 それだけで、彼女が私に伝えたかったことが理解できたように思えた。 彼女のその穏やかでありながら背筋の伸びた笑顔の向こう側には、 紆余曲折もあったのだとは思う。 激しい時代もあったのかもしれない。 だけど、そんなこと乗り越えて幸せで穏やかな彼女。 だから、彼女と特に深い会話はしなかった。 お酒の話をして、もう一度握手をして、私は自分の部屋に戻った。 催眠状態から戻って、思ったこと。 未来の私から受け取ったメッセージ。 それは、「私は私の思うように、このまま生きていけばいいんだ」ってこと。 誰かのようになろうと思わなくていい。 誰かの期待するように生きなくていい。 無理に大きく自分を変えようとしなくていい。 自分の直感に従いながら、落ちてきたラッキーや出会いを拾って進んでいけばいい。 どこかで大きく方向転換を余儀なくされて、無理に舵をきらなきゃいけなくなるくらい、 私は間違った方向には進んでない。 自分を信じる力が少し戻ってきた。 自分の心が少し柔らかさを取り戻してきた。 もうそろそろ、カウンセリングを卒業してもいい頃なのかもしれない。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
|