|
テーマ:ひとり言・・?(17578)
カテゴリ:ちょっとしたこだわり
新年度になったし、
上着がいらないほど暖かくなってきたし、 タイヤだって冬用からはきかえたし。 だけど、仕事は前年度の積み残しに追われていて、 ちっとも区切りがついていないのでした。 めでたし…いや、ちっともめでたくないし!(笑) というわけで、せめて前回からの話題くらい区切りをつけちゃおうじゃないかと。 フェルナンデスの今季FSのジャンプ構成プランは、 1.4T 2.4S+3T 3.3A 4.4S 5.3Lz+2T 6.3Lo 7.3F+1Lo+3S 8.3S ここで、フリープログラムのジャンプに関する決まりをまとめると、 ・3回転以上のジャンプで、繰り返していいのは2種類2回まで。 ・同じジャンプを繰り返す場合は、 必ずどちらかをコンビネーションにしなければいけない。 ミスにより2回とも単独のジャンプになった場合は、 一方をシークエンス扱い (つまり、コンビネーションになってないけどコンビネーションを跳んだという扱い) にする。 ・ひとつのプログラムでコンビネーションジャンプは3回まで。 3連続は1回のみ。 となります。 ここでフェルナンデスのジャンプ構成を見てみると、 2回入れてるジャンプは4Sと3S。 なんとどっちもサルコウなんです。 どんだけサルコウ好きなんですかって話です。 サルコウは6種類のジャンプの中では、あまり基礎点の高いジャンプではないので、 男子の上位陣で3Sを2回という人はめったにいないのだけど。 ジャンプを基礎点の高い順に並べると アクセル(A)>ルッツ(Lz)>フリップ(F)>ループ(Lo)>サルコウ(S)>トゥループ(T) なので。 ユヅルが4Sと4Tを1回ずつで、3Aと3Lzを2回ずつ というのが一歩前に出るための基礎点の高い組み合わせというのは前回ふれたとおり。 マチダの4T2回、3A2回というのが、4回転を2回入れる選手の王道パターン。 タカハシ、オダ、ベルネルなんかもこの組み合わせ。 あとは、今回の世界選手権で言えば、 トゥループよりもサルコウの得意なマックス・アーロンは4S2回に3A2回とかね。 つまりは、サルコウばっかり繰り返して4回も跳んじゃうフェルナンデスのプログラムは、 いかにもバランスが悪いわけです。 これは、ミスがあったときに取り戻すのがとても難しい。 それが致命的な失敗につながってしまったのが、 ハビエルのオリンピックでの演技だったわけで。 オリンピックのフリーでハビエルが実際に跳んだジャンプは次の通り。 1.4T 2.4S+2T 3.3A 4.3S 5.2Lz+2T 6.3Lo 7.3F+1Lo+2S 8.3S 3.のとこ、もともとは四回転のはずが3回転に抜けちゃったために、 最後の8.の3Sとだぶってしまい、8.はシークエンス扱い。 となると、すでに2.5.7.と3回コンビネーションを跳んでしまっているので、 最後のジャンプはコンビネーション回数違反で無効。 0点になってしまったのです。おやおや。 4.で3Sになってしまったのを取り返すために最も有効な方法としては、 もともとがコンビネーションの7.は予定通り3Sをつけて、 最後の8.をS以外のジャンプに差し替えるってのになるんだけど、 そんな判断、とっさには難しすぎる。 ジャンプの踏切りに入る軌道ってジャンプごとに違うので、 Sを跳ぶ軌道でつくってある振り付けを変えてほかのジャンプって 相当に熟練の技。 ならば次善の策としては、7.を単独の3Fにして、 8.を3S+1Lo+3Sのコンビネーションに差し替えるって方法があるけど、 こちらは踏切の軌道を変える必要がない代わりに、 このパターンを想定した練習を普段からしていない限り、 これを思いつくってのは至難の技だろうなって思います。 +1Lo+3Sにつなげるジャンプってのも、 練習してないと、とっさにはできなさそうだし。 このオリンピックでも今回の世界選手権でも、 2.の4S+3Tの予定のところが2Tになってるから、 8.を3Tにしてもよかったんだけど、 それはもっと判断が難しいのかなぁ… だけど、これ、 そもそもが最後のジャンプをS以外の3回転にしておけばいいだけの話。 どうやら彼はルッツが苦手なようなので、 フリップとかループとか、サルコウよりも基礎点が高いジャンプを入れておけばよかったわけですよ。 おそらくフェルナンデスはサルコウが得意だというのがまずあって、 多分アクセル、ルッツあたりは少々苦手。 そして、残念ながら、苦手を克服しようという勤勉さに欠ける。 なので、こんな得意ジャンプに偏ったジャンプ構成を組んで、 ミスのリカバリーが難しいことになっている。 対して、例えば日本男子勢のように、 できるだけ苦手は克服するよう努力したうえで、 基礎点の高いジャンプから優先的に組み込んでいくようにすれば、 こういう事態にはならない。 パトリック・チャンにしても実は、 3Aより4Tの方が得意なので、 苦手な3Aを1本に減らして4Tを2本にしたっていうそもそもがありまして、 なので、オリンピックでは、その苦手意識のある3Aに足元をすくわれちゃいまして。 もっと極端な例で行くと、アサダマオのフリープログラム、 バンクーバーでは3A2本でソチでは1本だったけど、 なんと全体的なジャンプ構成の基礎点で言うと、 バンクーバー48.35、ソチ53.06と3A1本の今回の方が高いんです。 というのも、バンクーバーシーズンは苦手な3Sと3Lzをはずして、 それを補うためにどうしても3Aを2本、みたいな側面があり、 一方、今季は、「8トリプル」とか煽られてたけど、 すべての3回転ジャンプをプログラムに盛り込むバランスのいい構成となっていて、 そちらのほうが基礎点は高くなりますよ、という話。 そして、パトリックにしろアサダマオにしろ、 苦手なものをはずして、得意なもので穴埋めというプログラムの作り方は、 「じゃあ、絶対に失敗できない」というプレッシャーを生む。 パトリックがソチで3Aどころか2Aまであやしくなってしまっていたり、 バンクーバーでアサダが、3A2本は決めたものの、 最も簡単なはずの単独の3Tがきちんと踏み切れずに1Tになってしまったり、 そういう怖さもはらんでしまう。 ユヅルが例え4Sで転倒したとしても、 他をきちんとまとめれば大丈夫という自信を持つことができているというのは、 まさに、そのあたりのプログラムのバランスがとれているからこそなのです。 というわけで、本日は、本編とは全く関係ないのですが2010年の私のマチダなど。 バンクーバーオリンピック直前の四大陸選手権。 時期が時期だけに各国オリンピック代表はことごとく出場せず、 大補欠大会となっていたところでチャンスを生かして銀メダル。 SPから大きく順位をあげたフリーの演技。 実は、私がマチダに注目したのはこの演技からでして、 そこまで眼中になかった自分の見る目のなさが悔しかったりもする。 19歳。体格も演技も、今よりだいぶジュニアっぽい感じ。 そして結構タカハシくささはあるんだけど、 このあと技術的に一段あがることでもっとタカハシっぽい時代を経て今のマチダ劇場に。 まだ、お肌もきれいでしたね。 ジュニア時代からこのころって、割とアイドル枠だったんだけどなぁ… お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
[ちょっとしたこだわり] カテゴリの最新記事
髪が多いですねえ。
なのか、 固めてないので、風にふわふわしている。 なのか、 それはどうでもいいとして、 ものすごくうまいじゃないですか。 ビックリしました。 こういう滑り方の感じ、好きですねえ。 そして、なんと言っても若い。 滑っている方も、脳フル回転!? ジャッジ?も、まばたきする間もなく、チェック眼!? >コンビネーションに差し替えるって方法 >このパターンを想定した練習 >これを思いつくってのは 現実… なんか、すごい確率に賭けてる、という感じですね(>_<) (2014年04月04日 23時22分54秒)
dokidoki1234さん
>髪が多いですねえ。 >なのか、 >固めてないので、風にふわふわしている。 >なのか、 >それはどうでもいいとして、 >ものすごくうまいじゃないですか。 >ビックリしました。 >こういう滑り方の感じ、好きですねえ。 >そして、なんと言っても若い。 > > > >滑っている方も、脳フル回転!? >ジャッジ?も、まばたきする間もなく、チェック眼!? > >>コンビネーションに差し替えるって方法 >>このパターンを想定した練習 >>これを思いつくってのは > > > >現実… >なんか、すごい確率に賭けてる、という感じですね(>_<) > > ----- このころは、ちょっと背中反り過ぎなところが気になりますが、若さゆえの生きのよさみたいなところがいいですよね。 この後、ジャンプに関しては2段階くらいレベルアップして、今の位置までたどり着きました。めでたし。 やっぱり、「ジャンプ以外がいい」選手は、ジャンプを手に入れることが可能だし、そこからの伸びが大きいわけです。 脳フル回転しなくてもリカバリーきくようにプログラム作っておくのが一番だと思うんです。 今回のフェルナンデスは、得意なことに偏ったプログラムを作ったがために、ミスがあった時に脳フル回転が必要になっちゃう作りになってて、それができなかったわけです。 と、言いながら、私が書いたリカバリーの仕方間違ってました。 申し訳ない<(_ _)> 次の日記で訂正します。 (2014年04月05日 22時39分53秒) |