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カテゴリ:本の紹介
私の動物園勉強法
を読みました。 作者さんは、別に動物園関係者でもなく、特別に動物関連学問を勉強した、というわけではなく、あくまで一般の観客の立場から 「動物園を勧める理由」そして、動物園で作者が気づいた動物達の不思議な行動を、より詳しい観察や様々な文献研究を通し、 それなりにその行動の理由を推測されています。 最初の第一章は、定年も過ぎ、時間的に余裕のある人たち、孫と行く以外はたぶん動物園とは縁なんてないだろうという方々にあえて、 一人で動物園に行ってみましょう、という薦めです。 動物園で動物園を見ると、血圧は下がり、適度に歩いて適度に休んで、と『動物園セラピー』の勧めという感じで軽く読めるかな~と 思ったら・・・ 次の章からは、かなりマニアックに(笑)と言っても、別に学術的にどうだとかいう話ではありません。 しかし、すごい観察力と着目点、発想力ですね~。 カンガルーとワラビーの違い、これって私は今まで単に、体格の違いだけだと思っていたのですよ。 しかし、この作者さんはそれだけで終わらせなかった!! カンガルーは食事を食べながらフンを同時にするが、ワラビーはそうでもない。これは何故だろうか?から始まり、 食事とフンとの関係についてきちんと統計をとり、さらにカンガルーとワラビーの生息している場所、環境の差、 食性の違い、などからしっかりその答えを導きだしているのです。 海外の文献もしっかり読みこなし、「老後の楽しみ」って称しちゃうにはあまりにも高いレベルで。 しかも、それが判りやすい言葉であくまで身近な観察を主体として語られているのです。 作者さんのお近くの動物園は『京都動物園』だそうでして、主にここで観察した動物達の話です。 私は、動物園で見るというと、一所の動物園に行くっていうよりもあちこちの動物園に行って、その動物園の施設全体としてを 見る方が多くて、ここまで一つのあるいは似ている動物達を見比べたり、っていうのはあまりないのですが、 普通(?)の観客でも、こういった見方をしている人がいるんだよな~と本当に目から鱗でした!! そう言えば、朝犬の散歩に出かけると、近頃の時期って道にミミズが沢山出てきているのですよね~。 そのままでは、すぐ干からびて死んでしまうのに。(で、お節介にもまだ動いているミミズは摘みあげて脇の草むらに移動させているのだ/笑) それが何故か?と思いつつ、そのままになってましたが・・・これにも各種説はあるのだが、まだ結論は出ていないそうです。 動物園で飼育されている動物、だけでなく、動物園で暮らす、あるいはやってくる野性動物や鳥、虫達に至るまで本当に丁寧に 観察されていて、トリビア的な感動をもたらして下さる一冊でした。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2005.06.05 22:00:04
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