天声獣語

2005/08/04(木)23:15

大好き!旭山動物園

本の紹介(9)

「大好き!旭山動物園」 近頃、さほど動物とか動物園に興味がない人たちの間でも、しっかり通じるようになった、今や日本一有名な動物園「旭山動物園」 で、この旭山動物園関連の本も続々と最近出版されておりまして、本屋で一コーナーできるくらいです。 しかも、購入者は素直に動物好きっていう人以外にも、いわゆる「成功のノウハウ本」みたいなビジネス指南書として購入する人も多いとか~^_^; いや~、旭山の場合は「人気を出すために」とか「成功するために」ではなく、自らの使命をいつもきちんと考え、限られた人的あるいは金銭的、地理的などの条件の中でいかにしてその目的に近づけるのか?自らの理念に近づけるのか?を追求していった結果が現在の人気につながるから、そういった面で期待して読むのはどっかな~?と思うのだが(笑) で、私もついつい出ていると購入してしまう「旭山本」 前述の通り、何冊も出ている中でのお勧めはズバリ「大好き!旭山動物園」です。 旭山動物園の応援団のような感じのNPO法人「旭山動物園くらぶ」の代表者・多田ヒロミさんが書かれた本です。 で、他の旭山本とちょっと違うっていうのは、他の本はある程度旭山動物園が内外で注目され始めてからあらためて園長先生や動物園スタッフの皆様などに取材して、今までの歴史を振り返るという感じで書かれているのに対して、「大好き!・・・」は、旭山市民でこの動物園が日常生活の中でその一部として身近に、当たり前に接してきた方が書かれているだけあって、見方がやはりちょっと違うなぁ~と。 職員というか仕事、っていうように完全に内部ではなく、私達一般の観客と近い立場ではあるけれど、そこから半歩、思い切って好き!という気持ちを原動力にして踏み出したっていう感じがよく出ています。 旭山本はどれ読んでも感動しちゃうのですが、他の旭山本の感動のタイプは「プロジェクトX」みたいな感じで、「自分達の仕事にこれだけ熱意と情熱を持ってがんばってる人達がいるんだっ!!私も頑張らなきゃっ!」って奮い立つタイプの感動なんだけど、この「大好き!・・・」は、ほのぼの身近でじんわり幸せになれるタイプの感動。 「誰も面と向かっては言わないけど、みんな君が頑張ってるのはわかってるんだよ、えらいね♪」って言われてちょっと照れちゃうけど、うれしくなっちゃうような、例えると「相田みつお」のよーな感じ(?) 好きが原動力だけど、それだけでは長続きはしない、けど、大変な事もあるけどやっぱり基本の原動力は「好き」っていう事にあるんだな、と改めて教えてくれる本です。 全国の動物園それぞれにファンクラブや友の会とか持っている動物園は結構あると思いますが、「旭山動物園くらぶ」はそれが動物園というか行政側が作った市民サービス的な物ではなく、あくまで自分達個人が作ったっていうのでこれはちょっと珍しいのではないかな? 動物園→友の会、ではなく、動物園←動物園くらぶ←動物園、みたいな双方向にほぼ対等に近い対場独立した立場で活動し、 でもお互いに協力しあえている、っていうのはね~。旭山動物園は公立の動物園、動物園くらぶはNPOだけど、元は個人の私的な団体、これが横の相互に風通しよくつながりあっている、っていうのは、動物園だけではなくこれからの日本の行政と市民有志グループとの関係としても参考になりうる形ではないかな?と思います。 形だけの「市民モニター」やら「有識者による検討委員会」なんかよりもよっぽどねぇ~。 あ、話がズレました^_^; もちろん、旭山の見所施設の細かいところに手が届くような、裏話的なネタも満載!これを読めば、あなたも旭山通!! ってわけで、お勧めの一冊です♪ あ~、また行きてぇなぁ~、旭山・・・

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