遊心六中記

2016/09/26(月)15:07

登る 立山の記憶 -10 室堂~天狗平~弥陀ヶ原

山歩き(18)

2泊お世話になったみくりが池温泉を7:00に出発。室堂バスターミナルの建物の傍の山道を通って、下山します。天狗平から弥陀ヶ原を経由し、弥陀ヶ原バス停まで歩いて、そこからチャーターの観光バスで帰路につくという予定です。   立山の地図を見ると、浄土山から西方向には、室堂山(2668m)、国見岳(2620.8m)、天狗山(2621m)と連なっています。ただし、国見岳、天狗山への山行ルートは地図には記載がありません。   天狗山の北に位置する高原状の中をゆるやかに下ります。天狗平という名称は、天狗山との関係で付けられたのでしょうね。天狗は修験道との関連でのネーミングでしょうか? 北方向の遠くに見える三角の頂上は「剣御前」なのでしょう。 天狗平の北側、東西方向への山の連なりがまず目に止まります。全体像はこのパニラマ合成となります。                    2つの合成写真に分けてみました。 剣御前をズームアップ 天狗平の上空をヘリコプターが何度も往復しています。方々の山荘に食材料などの物資を運搬しているのでしょうか。 高山植物の最盛期を過ぎていたのでしょう。天狗平、弥陀ヶ原の両方で、それほど花は見かけませんでした。   立山高原ホテルの建物が近くなってきます。 背後にある山並みが、国見岳・天狗山ということになります。 少し西に下り、違った角度から眺めた北方向の山々。 山々が見る方向によって、少しずつ変化する姿を楽しめます。これも快晴が続いてくれた幸運の賜です。雨の中の高原下山だと・・・・気が滅入ったことでしょう。 天狗平山荘の傍から、弥陀ヶ原に入って行きます。 弥陀ヶ原は、主に火砕流堆積物の台地で、立山連峰自体は基盤の花崗岩類から構成されるのに対し、この台地は安山岩・ディサイトが低所を埋めてできたといいます。(資料1)   木道を進みます。 「弥陀ヶ原遊歩道コース」の地図は、こちらからご覧ください(「立山黒部アルペンルート」)。     ガスが出始めると、瞬く間に景色が一変します。 山の気象は微妙です。 「ガキ(餓鬼)田」と称される水が溜まった小池が点在しています。池塘(ちとう)と称するようです。 「ガキ田」の名前の由来は何だろうか・・・と調べていたら、次のような説明を見つけました。 ”弥陀ヶ原高原は標高約1,600~2,100mに広がる大草原で、「餓鬼田(がきだ)」または「餓鬼の田圃」と呼ばれる「池塘」は、標高2000m付近の湿地帯に多く分布しています。 名前の由来として、餓鬼道に落ちた亡者が、飢えをしのぐために田植えをしたところからつけられたと言います。 しかし、稲が実るはずもなく、この餓鬼田と地獄(地獄谷)が結びつき、餓鬼伝説が作りあげられたようです。”(資料2) 信仰の山・立山。雄山の傍には、浄土(山)も地獄(谷)もある場所。神仏習合の時代、立山信仰が自然地形のネーミングに反映されていくのは当然かもしれません。 「立山弥陀ヶ原・大日平」の表示がある休憩スペースがあります。 ラムサール条約登録湿地だそうです。面積574haの「立山弥陀ヶ原・大日平」が2012年7月に登録されたのです。 「特に水鳥の生息地として国際的に重要な湿地に関する条約」というのが、この条約の正式名称なのです。この条約、1971年2月にイランのラムサールで開催された会議において条約が採択されたことから、その都市名が通称になっているのです。(資料3) 弥陀ヶ原・大日平・称名渓谷及び称名滝が登録の区域になるとか。(説明板より) この休憩地から10分ほど歩いたところに、「弥陀ケ原ホテル」があります。その近くに、 国民宿舎 天望「立山荘」もあります。両方とも近くで見るとかなり大きな建物です。 この天望立山荘は標高1940mにあり、日本最高峰に所在する国民宿舎だそうです。(資料4) この国民宿舎のすぐ傍が、弥陀ケ原バス停です。 弥陀ケ原ホテル横から、天望立山荘近くに行く途中で、最後に高山植物を見ました。   黄色い花はイワオトギリ。ピンク色のものは何でしょう? 7月頃に来ると、弥陀ケ原はチングルマの白い花が咲き誇るようです。そして、ワタスゲの白い花も。咲き誇る高山植物を眺めながら、ゆったりと木道を散策するのもいいかもしれません。 立山山行はこれで無事終了しました。 後は観光バスで下山後、温泉に入りさっぱりとしたところで昼食を済ませ、帰路につくだけとなりました。ここ数年ぶりに天気に恵まれ、山を満喫できた夏山登山でした。 ご一読ありがとうございます。 参照資料 1) 弥陀ヶ原  :「気象庁」 2) 弥陀ヶ原高原の「池塘」  :「株式会社NTO」 3) ラムサール条約 :「外務省」 4) 天望立山荘 ホームページ 補遺 トレッキング  :「天狗平山荘」   天狗平山荘や室堂ターミナルを拠点としたトレッキングのコース図と説明あり。 天狗平 ライブカメラ  :「Ustream」 天狗平 :「JTB」 弥陀ヶ原散策ガイド  :「弥陀ヶ原ホテル」   「弥陀ヶ原高原散策マップ」と各種散策コースの説明あり。    ネットに情報を掲載された皆様に感謝! (情報提供サイトへのリンクのアクセスがネット事情でいつか途切れるかもしれません その節には、直接に検索してアクセスしてみてください。掲載時点の後のフォローは致しません。 その点、ご寛恕ください。) 登る 立山の記憶 -1 室堂からミクリガ池、地獄谷、みくりが池温泉に  へ 登る 立山の記憶 -2 室堂平散策(ミドリガ池・立山室堂・玉殿岩屋) へ 登る 立山の記憶 -3 室堂平・ミクリガ池に映じる立山・夕日と雲海 へ 登る 立山の記憶 -4  早朝散策(エンマ台、火山ガス情報ステーション・山崎圏谷)へ 登る 立山の記憶 -5 山荘 ~ 一ノ越 ~ 雄山 へ 登る 立山の記憶 -6 雄山神社(峰本社)~大汝山 へ 登る 立山の記憶 -7 大汝山での展望~大汝休憩所~富士の折立~道標 へ 登る 立山の記憶 -8 クラノスケカール~真砂岳~別山~別山乗越 へ 登る 立山の記憶 -9 雷鳥沢・地獄谷・血の池、そして縦走完歩 へ

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