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遊心六中記

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2017.06.23
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カテゴリ:観照 [再録]
 [撮影時期:2014年7月]
蛸薬師通から室町通に戻り、右折して北に上がると、六角通までの中間あたりです。
室町通六角下ル鯉山町に、「鯉山」の駒形提灯の灯りが見えます。
 右手のこの提灯が目印です。
鯉山の懸装品や山に載る小社などの展示品を拝見できる町家(会所)への路地入口です。
           

            22日の夕方に撮った「鯉山」について説明する駒札です。

「龍門の滝を登った鯉は龍になるという中国の伝説を基にした立身出世の金言『登龍門』を題材にした山」です。(資料1)

「この竜門の滝は黄河の中流にあり、山西・陝西両省境を南下する峻険な峡谷、堯瞬に続く夏の禹王が開鑿したところ」です。「黄河の水がここを過ぎて東に向かうと名にし負う函谷関があり、・・・・『三門峡ダム』が近年完成している」という地理関係にある場所です。(資料2)
 
           宵山見物の当日には、山の背面に見送りが懸けてありました。

こちらは22日の夕方に山の右斜め前から撮ったもの。
この時点では、まだ見送りが懸けられていませんでした。

宵山の夜は、展示品を拝見しようとする見物客の長い列が出来ていました。そのため
22日に拝見しているので、宵山では行列に並ぶのは止めて、次のところに移動。
22日夕方に撮った写真でご紹介しましょう。
 
冒頭の入口のところから建物の間の路地を東の方に入って行きます。

北側にはまず現在の鯉山の頑丈そうな収蔵庫が見えます。
普段はここに鯉山の懸装品その他一式が保管されているのでしょう。

大正3年7月にこの土蔵の建築費を寄付された方々の氏名が掲示されています。

通路に沿って南側に細長い苔蒸した庭があります。
                  
そこにこんな鬼板の瓦が置かれています。鯉の字体がおもしろい!
その両脇は波の意匠化でしょうね。
 善導寺形の変形と思える竿が六角柱の石灯籠
 
路地の突き当たりには、天道大日如来の小社が祀られていて、その少し手前には、右の画像に見られるように、水を湛えた大きな手水鉢と柄杓が置かれています

路地は小社の前でUターンします。北側の町家(会所)の戸などが取り払われて横長に開け放たれた座敷に懸装品や山に載る小社が展示されているのです。

座敷の北東の一隅に結界が張られ、小社が安置されています。

  少し角度を変えてみると、こんな感じの展示です。

                   左甚五郎作と伝わる巨大な鯉の姿
      
22日の夕方は、未だ見物客がまばらだったので、ゆっくりとこの山の四隅の柱を飾る「角金具」の写真を撮ることができました。じっくり観察すると、一つ一つ意匠が違うのです。鴨川の川の水が波立ち、その上を飛翔する千鳥の動きを追っていくがごとき造形です。躍動感に溢れています。この飾り金具は明治期に細工されたものだそうです。

  
     一点、一点、ご覧あれ。
  


そしてこの見送りが、宵山には山に懸けて展示されていたものです。
      
                                 右側面の水引と胴懸

    左側面の水引と胴懸

係の人々が往き来されていて、前懸の部分が残念ながら撮れませんでした。
胴懸は左右ともに、中央のタペストリーの両側に綴織の龍図を組み合わせた形になっています。西洋と東洋の併存です。当時の都の町衆はこの胴懸や見送りを眺め、遙かかなたの異境をどう受け止めたのでしょうか。未知なる世界を想像し、疫病を退散させうるパワーを感じ取ったのでしょうか。異境の地に夢を抱いたのでしょうか・・・・。

第二次大戦後、龍村平蔵氏が前懸の隅に織り込まれたBBのイニシャルを発見されたことにより、ベルギー・ブリュッセル製のタペストリーであること、さらに鯉山の四周を飾るタペストリーが、実は1枚の大きな壁掛を9つに裁断されたものであること、が判明したのだとか。(資料2)

松田元氏の模写による復元絵図を引用し、ご紹介いたしましょう。(資料2)


       
この後、六角通との交点で右折して少し東に入り淨妙山を観て、引き返し室町通を上がり、黒主山、役行者山と巡ります。

つづく

参照資料
1) 「祇園祭 宵山・巡行ガイド2014」 発行・祇園祭宵山会議
2) 『祇園祭細見 山鉾篇』 松田 元 編並画  発行所・郷土行事の会 

【 付記 】 
「遊心六中記」と題しブログを開設していた「eo blog」が2017.3.31で終了しました。
ある日、ある場所を探訪したときの記録です。私の記憶の引き出しを維持したいという目的でこちらに適宜再録を続けています。
再録を兼ねた探訪記等のご紹介です。再読して適宜修正加筆、再編集も加えています。
少しはお役に立つかも・・・・・。他の記録もご一読いただけるとうれしいです。

補遺
京都祇園祭 鯉山町衆 ホームページ
  「鯉山を知り楽しむために」は必見です。
  タペストリーの原型についても、このサイトのページにカラー写真で載っています。
  見送り部分も、オリジナルと複製が対比されていて、興味深いですよ。
登龍門  :ウィキペディア
龍村平蔵氏の芸術  芥川龍之介 :「青空文庫」
フランダースの匠の技タペストリー  :「Holland + Flanders」
フランダースの匠の技 タペストリーの世界を覗く :「Holland + Flanders」
 
   ネットに情報を掲載された皆様に感謝!

(情報提供サイトへのリンクのアクセスがネット事情でいつか途切れるかもしれません
その節には、直接に検索してアクセスしてみてください。掲載時点の後のフォローは致しません。
その点、ご寛恕ください。)

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Last updated  2017.06.23 18:37:00
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