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遊心六中記

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2017.06.25
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カテゴリ:観照 [再録]
         [撮影時期:2014年7月]
今年(2014)の祇園祭の呼び物はやはり150年ぶりの大船鉾の復興です
この大船鉾の復興が49年ぶりの後祭(あとまつり)復活という節目を迎えることにもなったのでしょう。
後祭の宵山においても、この大船鉾だけが異様に感じるほどに見物客で賑わっていました。後祭の宵山巡りでの相対的な印象ですが・・・。

後祭の唯一の鉾はこの復活した大船鉾だけです。既にご紹介した北観音山と南観音山は一見鉾の様ですが曳山に分類され、山の一種です。
 
後祭の山鉾の所在地も、この地図で見るとおり、大船鉾だけが新町通の四条通より南側に位置しています。この新町通をさらに南に下がると、前祭に巡行する舩鉾の町内に至ります。(資料1)

来年(2015)以降の後祭の宵山の雰囲気がどう変化するかはわかりませんが、今年(2014)はこの全体からみれば飛び地になっている大船鉾だけが押すな押すなの人だかりでした。ラッシュアワーに近い感じ。その他の四条通より北側の山では、比較的ゆったりと情緒のある雰囲気で山巡りができました。もちろん、これは私が巡った時間帯での感想です。

明るい内の大船鉾を観ておきたいと、22日に出かけていましたので、そのときの写真でのご紹介がメインになります。何せ、宵山は混雑状態の中での一方通行であり、立ち止まらないで前方に進んでくださいという状態で、写真を撮るのもままならず・・・・でした。前日に拝見していたので、まあ全体をイメージしていただくことはできるでしょう。
                      北から南方向を眺めて
宵山当日は、四条通新町の交差点から、新町通を東側に沿って一方通行で鉾を観ながら通り抜けするだけでした。北側前方に設置されたテントの左、東側をぞろぞろと鉾に向かって前進するという感じです。
 
22日には通りの東寄り、西寄りをかなり自由に歩き回って眺めることができました。

                              新しくできた駒札
大船鉾は新町通四条下ル四条町に位置します。
駒札にあるように、この大船鉾は「神功皇后の朝鮮出兵伝説にちなみ、鉾全体で船型をかたどり・・・」というものです。ただし、前祭の舩鉾が鎧姿のご神体で出陣を構想したものであるのに対し、こちらは手許の本によると「祇園御霊会細記」には「還御の体をうつす」という構想の大船です。つまり、神功皇后が戦いから凱旋したという神話から「凱旋船鉾」と呼ばれていたのです。(資料2)

幕末の「蛤御門の変」の大火で舳先の飾り物である龍頭(りゅうず)、木組や車輪を焼失したといいます。そのため「休山鉾」の一つとなり「居祭」を余儀なくされていたのです。舳先を飾る大金幣、ご神体人形、大楫及び懸装品は焼失を免れたたとのこと。今までは16日の宵山で舩鉾を観に新町通を下るとき、この大船鉾の展示品だけ拝見していました。
ご神体人形や大楫は撮影禁止にしておられたのでご紹介できません。

舩鉾の大楫は螺鈿細工で飛龍図の施されたものですが、こちらの大楫は織物・刺繍の技術を使い大楫の表面に龍図が描かれています。手許の本ではその姿の説明として「金竜縫猩々緋舵」と表記されています。「猩々緋に金糸刺繍の舵は五爪の雲竜を描いた華麗なもの」(資料2)
   これが舳先を飾る大金幣
かつての巡行では龍頭と隔年交替で舳先を飾っていたそうです。
 
 
             舳先側から眺めるとこんな感じです。

 
           一方通行の流れに沿って歩き、やっと撮れたのがこの画像。
 
こちらはほぼ同じ視点から前日に撮ったものです。
いくつか画像を補って、ご紹介を続けます。
 大船鉾の東側面 
               
 
船体胴部に掛かる下水引は波濤文に飛龍の様々な姿を刺繍した意匠です。この龍の形は、舩鉾の大楫の螺鈿細工による飛龍と同形です。


                              復元された車輪

                     船の後方、艫屋形の高欄下を飾る下水引
       
                   たぶん鳳凰の金糸総刺繍と見受けます。
 
 
 
後方の駒形提灯を眺めて大船鉾を後にしました。

150年ぶりに復興した大船鉾。今年(2014)は船の屋形も高欄もすべて白木のままの姿です。この姿が見られるのもこれが最初で最後かも・・・・。
後祭巡行後の翌日、25日の新聞(朝刊)によれば、「今後は鉾に漆や金具を施すことや、鉾や宝物を保管する町家や収蔵庫の整備も必要だ」と報じられていました(資料3)
漆塗りが最優先されるならば、白木姿ではなくなりますので。今後どのように整備されていくのかが、ウォチングしていく楽しみの一つとなります。

帰路の途中で、烏丸通り三条上ル場之町に位置する「鈴鹿山」を回れていないことに気づいた次第です。少し心残りとなりましたが・・・・来年はちゃんと巡ってみようと思います。
後祭宵山巡りについて、次回以降であと少し補足のご紹介をいたしましょう。

つづく

参照資料
1) 「祇園祭 宵山・巡行ガイド2014」 発行・祇園祭宵山会議
2) 『祇園祭細見 山鉾篇』 松田 元 編並画  発行所・郷土行事の会
3) 「祇園祭2014 復活!大船鉾 49年ぶり後祭・山鉾巡行」
    2014.7.25(金) 朝日新聞 第2京都 13版 31

   ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 再録にあたり、最新情報を追記します
 先日(2017.6.23)、京都新聞に大船鉾が「写し面」を作ったとい記事が報じられました。巡行の折に鉾に乗せる御神体人形「神功皇后」の顔に本面を取り付けていたが、この本面の保護のために、「写し面」を今年・2017年から使用するというものです。大阪府摂津市在住、能面打の見市康男氏が面打ちを依頼されて製作されたというものです。「神が宿るとされる本面は原則非公開」で、「写し面は、6月24日に東山区の八坂神社でおはらいを受け、以降は非公開となる」ということです。
 つまり、今日時点ではや非公開扱いになったことでしょう。
 その写し面の新聞記事は現時点ではネットでご覧になれます。また、「大船鉾保存会ブログ」にも引用掲載されています。こちらからご覧ください。

 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

【 付記 】 
「遊心六中記」と題しブログを開設していた「eo blog」が2017.3.31で終了しました。
ある日、ある場所を探訪したときの記録です。私の記憶の引き出しを維持したいという目的でこちらに適宜再録を続けています。
再録を兼ねた探訪記等のご紹介です。再読して適宜修正加筆、再編集も加えています。
少しはお役に立つかも・・・・・。他の記録もご一読いただけるとうれしいです。

補遺
大船鉾  山鉾について :「祇園祭山鉾連合会」
住吉明神 ← 住吉大神
住吉明神 :「雄峯閣 ―書と装飾彫刻のみかた―」
  謡曲「白楽天」における住吉明神  
鹿島神宮 :ウィキペディア
安曇磯良 :「玄松子の記憶」

   ネットに情報を掲載された皆様に感謝!

(情報提供サイトへのリンクのアクセスがネット事情でいつか途切れるかもしれません
その節には、直接に検索してアクセスしてみてください。掲載時点の後のフォローは致しません。
その点、ご寛恕ください。)

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Last updated  2017.06.25 15:30:54
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