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遊心六中記

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2017.10.05
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カテゴリ:探訪 [再録]
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「湖のテラス」から水辺沿いに高木浜を南西方向に歩いていき、振りかえると海津大崎が右方向に遠望できます。
 
       
マキノサニービーチ高木浜を進みます。
サニービーチの施設を右に見ながら進んでいると、
         
 

竹生島の方角から遊覧船が近づいてきて桟橋に着く様子を眺めながら歩くことができました。(地図の番号13)
マキノサニービーチには水泳キャンプ場もあります。

 
知内浜水泳場の方に近づいて行くと、水辺からはモニュメントのように見えるものが目につきます。
                   
階段を上がって見ると、それは白鷺橋です。(地図番号14の辺り)
 

           白鷺橋上からの湖岸・河口の眺めと知内川上流側の眺め
上流側には、大川橋・湖周道路・湖西線・西近江路と順番に架橋されています。
大川橋の上手が「知内川のヤナ」を見られる場所です。


白鷺橋を渡ると、「近江湖の辺の道」という表示が目にとまりました。
志賀町近江舞子から近江八幡国民休暇村までを結ぶ周遊自然歩道と説明されています。

この知内川の河口に「マキノサニービーチ知内浜オートキャンプ場」があります。

まずは「唐﨑神社」を探訪します。
 
         
手前に「川据宮(かわすそみや)」という石標があります。これは唐﨑神社の別名なのです。この石標があるということは、地元ではこちらの名称の方が親しみがあるのでしょうか? 毎年7月28・29日には、「川裾まつり」が行われるそうです。
「不浄よけ・夫婦和合・安産・厄難祓いの御利益で名高い知内の『川裾さん』」。そして、このお祭りのごちそう「ハスのなれずし」が有名だといいます。(資料1)

この「境内歴史案内」とネット検索で得た知識を合わせて考えると、知内川の旧名が大川です。その大川末流つまり川裾(河口)に鎮座する神なので、川裾大明神と尊称し、その大明神を祀るお宮という意味で「川裾宮」と呼称していた時期があったためと推測できます。(資料2)
 
             
参道を進んで行くと、石橋・石造鳥居・拝殿が一直線に眺められます。
鳥居は正徳元年に木造から石材に換えて建立されたもの。
 
 

                      拝殿は文政10年(1829)に再建されたもの。
拝殿の天井に太鼓が吊してあります。こういう形式を私は初めて見ました。
ここの天井は、格子天井ですが大きな格子の中に小さな格子が入れ子になっていて、この意匠様式も私はあまり見かけないものでした。
                               
 
        
祭神は瀬織津比咩神(せおりつひめのかみ)速開都比咩神(はやあきつひめのかみ)速佐須良比咩神(はやさすらひめのかみ)の三柱。(資料2)

この三柱は祓戸三神であり、祓戸大神とも言われます。祓戸というのは祓いを行う場所のことで、そこに祀られる神、つまり罪・穢を祓い去る神という意味になります。
「祓戸大神とは、日本神話の神産みの段で黄泉から帰還した伊邪那岐が禊をしたときに化成した神々の総称ということになる」(資料3)そうです。

この三柱はそれぞれ異なる役割をになっているようです。(資料3)
*瀬織津比売: もろもろの禍事・罪・穢れを川から海へ流す
*速開都比売: 海の底で待ち構えていてもろもろの禍事・罪・穢れを飲み込む
*速佐須良比売: 根の国・底の国に持ち込まれたもろもろの禍事・罪・穢れをさすらって失う

滋賀県神社庁のホームページで神社名を検索してみると、彦根市に同じ漢字の神社がありますが、こちらは唐崎を「トウザキ」と称するようで、祭神が全く異なります。
一方、大津市唐崎の唐崎神社は良く知られている神社ですが、こちらの神社の祭神もまた異なります。この神社は、滋賀県神社庁には登録されていないようです。
つまり、それぞれが独立した神社で、同じ系統の神社ではなさそうです。
さらに調べてみると、高島市新旭町にも唐崎神社があり、ここの境内社・西宮神社の祭神に瀬織津姫神が祀られているようです。こちらの唐崎神社は「川裾さん」とも呼ばれているようです。(資料4)
 

本殿に向かって、右側には境内社1社とその隣りに「えびす神奉安所」があります。
この恵比須神は両手で大鯛を抱えておられる立ち姿です。大漁をもたらす福神として祈願されたのが始まりなのでしょうね。西近江七福神の一つだそうです。


知内川に仕掛けられた伝統的な漁法「ヤナ漁」がこれです。
この知内地区で行われているヤナ漁は「ノボリヤナ漁」で「カットリヤナ」とも呼ばれるているようです。
  
簀で水流を遮り、魚群を誘導するための水流を造り出す部分とカットリ池と呼ばれる魚を獲る部分で構成されている漁法だとか。この画像にみられるように、カットリ池がコンクリート製となって、ヤナの位置が固定されてしまったようです。これは昭和32年の河川改修の際に行われたことだとか。
春から夏にかけてはアユを獲る春ヤナ漁、秋にはマスを獲る秋ヤナ漁が行われてきたのです。(資料1)

この後は、再び「湖のテラス」まで戻り、西浜地区の方をめざします。

大川橋を渡る時に、白鷺橋を眺めて

こんなおもしろいレリーフを道中で見かけました。何かの伝承をレリーフにしたようです。今のところ情報がありません。ご存知の方がいらっしゃればご教示ください。
今回は特に説明もなく通過していきました。

知内地区に位置するホテルです。地図に「奥琵琶湖マキノグランドパークホテル」と記載されています。

道路脇の垣根には6月下旬ですので、紫陽花が咲き誇っていました。
 

道路沿いに行くと、「マキノサニービーチ 高木浜」のこの看板が最初に目に入ることでしょう。


道路を歩いていて、マキノサニービーチの生け垣の先に、竹生島を遠望できました。

ここから、西浜・海津の水辺探訪に移っていきます。


つづく

参照資料
1)「重要文化的景観 高島市海津・西浜・知内の水辺景観をゆく」
      当日配布のレジュメ資料  主催:滋賀県教育委員会
2) ​唐崎神社​  :「滋賀県神社庁」
3) ​祓戸大神​  :ウィキペディア
4) ​滋賀県の瀬織津姫 ​ :「mixiコミュニティ」

【 付記 】 
「遊心六中記」と題しブログを開設していた「eo blog」が2017.3.31で終了しました。
ある日、ある場所を探訪したときの記録です。私の記憶の引き出しを維持したいという目的でこちらに適宜再録を続けています。
再録を兼ねた探訪記等のご紹介です。再読して適宜修正加筆、再編集も加えています。
少しはお役に立つかも・・・・・。他の記録もご一読いただけるとうれしいです。

補遺
西近江路​ :ウィキペディア
祓戸大神​  :「古社への誘い 雑記帳」
瀬織津姫​  :ウィキペディア
西近江七福神​  :「高島市観光情報」
  ​体験版のページはこちら​(7箇所の写真やモデルコースを掲載)
近江の七福神​  :「近畿の七福神めぐり」
唐崎神社​ ホームページ
 大津市唐崎にある神社。こちらの祭神は「女別当命(わけすきひめのみこと) 」
マキノサニービーチ 高木浜オートキャンプ場​ ホームページ
マキノビーチ知内浜オートキャンプ場​ ホームページ
知内川の小鮎ヤナ漁(滋賀県高島市マキノ町)​ :YouTube
梁漁​  :ウィキペディア
安曇川やな漁・高島市安曇川町~その1 ​ :「滋賀文化のススメ」

   ネットに情報を掲載された皆様に感謝!

(情報提供サイトへのリンクのアクセスがネット事情でいつか途切れるかもしれません
その節には、直接に検索してアクセスしてみてください。掲載時点の後のフォローは致しません。
その点、ご寛恕ください。)

探訪 [再録] 滋賀・高島市マキノの水辺を歩く -1 高木浜・湖のテラス へ
探訪 [再録] 滋賀・高島市マキノの水辺を歩く -3 西浜と海津の石積み・海津漁港・魚治・旧海津港跡 へ
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探訪 [再録] 滋賀・高島市マキノの水辺を歩く -5 湧水(イケ)・マキノ東小学校・西内沼 へ


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Last updated  2017.10.07 15:43:29
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