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遊心六中記

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茲愉有人

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2017.11.13
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カテゴリ:探訪 [再録]
​​​​​​​​​
「御屋敷の庭」続きに「苗の庭」に入りました。後で見直すとその門はこの庭の裏門にあたります。
冒頭の画像は、「苗の庭」の庭景色です。白い筑地塀の向こうに見えるのは「潮音斎」の屋根です。

江戸時代に栽培された園芸植物を育成する庭園になっています。庭の一角にある「作業舎」を除き、表門と裏門を結び文字卍の一つの流れを逆転させた形に曲折してメインとなる通路が庭の中央を横切っています。その左右の庭一面に整然と栽培用の方形区画が配置されています。
 
      
 
                訪れた時に咲いていた牡丹
 
     
庭のこの通路が、実はこの門に通じています。この門に「苗の庭」と記した門標が掛けられていますので、こちらが道に面する表門なのです。

浅黄(うすき)色の筑地塀となり、この塀の向こうが後で確認すると「茶の庭」にあたるのです。見えているのはたぶん茶室「双樹庵」の屋根でしょう。

この「茶の庭」はなぜか、訪れていませんでした。残念! 単なる見落としなのか、別の理由があったのかは不明です。
パンフレットによると、茶室「双樹庵」を中心に玄関前の庭、広間の庭、小間の庭が配されているそうです。そして、飛び石・蹲踞(つくばい)・灯籠・腰掛け待合などが配置された茶庭になっているとか。
茶室「双樹庵」は、裏千家家元の設計・監修で京都の数寄屋大工の技術で建てられたもの。茶室は姫路城天守閣に向かって建てられているといいます。(資料1)

東西方向の道の北側に「茶の庭」、南側に「流れの平庭」があります。

門の内側正面には、書院玄関の衝立に代わるかのように「建仁寺垣」がしつらえられ、目隠しの役割を果たしています。竹垣の間を回り込むようにして庭に向かいます。(資料2,3)

ここの庭が興味深いのは、「流れの平庭」から水の流れが「夏木の庭」「松の庭」へと一続きに繋がり、蛇行する小川と小池を軸にしてそれぞれの庭が構成されているのです。この3つの庭はそれぞれ趣の異なる仕切りで截然と区分されています。
そして、「松の庭」は「花の庭」に続いています。

最初に目に止まったのがこの灯籠。「いけこみ形」灯籠のようです。(資料3)
別に、「松琴亭」と称される形でもあります。(資料4)
今まで見た記憶がない灯籠でした。

この小池辺りが後から思うと、「流水」の始まりのようです。池の中、岸辺寄りに小さな岬灯籠が置かれています。

小川の流れに沿って植樹され庭が展開していきますが、その側を同様に緩やかな孤を描く通路があります。
 

通路を真っ直ぐに行き、「夏木の庭」に向かうこともできるのですが、それではこの「流水の平庭」の良さが味わえません。やはり、小川の流れ間近を向こう岸に渡って、庭を楽しむべきでしょう。勿論、そうしました。
 
池から小川の流れへと変化し、小川がおおらかな孤を描き、流水に趣きを添えます。

小川のこちら側の通路から少し外れた一隅に、「三光形」の灯籠がさりげなく置かれています。

小川には、飛び石の渡りが作られ、軽やかで広がりを遮らないいい感じです。
 
                    

緩やかな流水の岸辺に、四阿(あずまや)「流翠亭」(りゅうすいてい)が設けられています。
 

そして、ここが「流水の平庭」と「夏木の庭」の境界です。流水が2つの庭に跨がる池に流れ込み、その小池のうえに、池中の置き石を巧みに使いながら、立合い垣が庭を画しています。こういう発想の庭も意外性があり、かつ情緒があります。鯉は境と無関係に泳いでいます。
 
     
こちらが垣根の傍の出入り口から「夏木の庭」に入ったところです。立合い垣の反面の風情です。
この庭は夏木(落葉樹)ばかりを配し、新緑から紅葉までの季節感をテーマにされています。(資料1)庭園名の通りですね。

池に架かる石橋の向こうには、「流水の平庭」の通路の先に見た門が見えています。

ごつごつとした岸辺の石組みで夏の強さを感じさせる小池が再び小川の流水となります。この「夏木の庭」はコンパクトにまとまっています。
 
 
 


 
     
通路を辿る先には、またひと味趣の異なる垣根が庭の境界となっています。



つづく

参照資料
1) 姫路城西御屋敷跡 好古園」パンフフレット 入園時にいただいた資料
   ​こちらからダウンロードすることもできます。
2) ​建仁寺垣とは​ :「三木竹材店」
3) 『和の庭図案集』 design book 建築資料研究社 p68, p27
4) ​活け込み灯籠特集​ :「杉本石材店」

【 付記 】 
「遊心六中記」と題しブログを開設していた「eo blog」が2017.3.31で終了しました。
ある日、ある場所を探訪したときの記録です。私の記憶の引き出しを維持したいという目的でこちらに適宜再録を続けています。
再録を兼ねた探訪記等のご紹介です。再読して適宜修正加筆、再編集も加えています。
少しはお役に立つかも・・・・・。他の記録もご一読いただけるとうれしいです。

補遺
垣根​ :ウィキペディア
建仁寺垣結び方​ :Youtube
灯籠​ :ウィキペディア
石灯籠類​  :「京都府造園協同組合」
石灯籠の解説​ :「杉本石材店」
茶室解体新書~数寄屋建築のつくり方~​ :「数寄屋大工-美を創造する匠-」
竹中大工道具館巡回展 数寄屋大工 ―美を創造する匠―
数寄屋大工 ―美を創造する匠―​  :Youtube
もてなしの数寄屋住宅<vol.1>​  :Youtube
もてなしの数寄屋住宅<vol.2> ​ :Youtube
もてなしの数寄屋住宅<vol.3>​  :Youtube

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Last updated  2017.11.13 23:26:41
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