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遊心六中記

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2020.04.05
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カテゴリ:探訪
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大石稲荷、お地蔵さまの前を南に向かいますと、山科神社への坂道があり正面にこの建物が見えます。山科神社の社務所のようです。
右折して、坂道を上ります。岩屋寺の南西方向で、さらに高い位置にあります。

 
                            
                            
     振り返ると、このような景色です。

  
石段を登り切ると、正面に拝殿があり、右側斜め奥に手水舎と受付所と思える建物が見えます。
  
手水舎の寄進された水鉢の正面には「岩屋大明神」と​刻されています。
 
間口三間、奥行二間、入母屋造本瓦葺で、質朴な感じの拝殿です。
本殿側の桁が緩やかな円弧のアーチ状になっているという特徴が見られます。
 
              拝殿屋根の鬼瓦
    
    拝殿を回り込み、一段高い位置にある本殿に向かいます。
 
     
          石段の両脇には狛犬が配置されています。
本殿は菱格子窓の瑞垣で囲われ、朱塗りの外観です。
     
          
正面扉の前に弊束が立てられ、支持台に御鏡(円鏡)が置かれ、三方に瓶子が供えてあります。

神社は岩ヶ谷の山腹にあり、旧西野山村の産土神です。
祭神は日本武尊(やまとたけるのみこと)とその御子稚武王(わかたけるのみこ)
社伝によれば、寛平9年(897)宇多天皇の勅命により創祀されたと伝えられています。この地の豪族宮道氏の祖神とも。むかしは​山科一ノ宮​と呼ばれ、西岩屋大明神とも呼ばれたと言います。たびたびの兵火により旧記が失われ、由緒沿革はあきらかでないようです。(資料1,案内板)
​明治維新後に、山科神社と改称されました。​(資料1)


 
  
本殿は東に面して建ち、三間社流造で、細部の彫刻の作風などから「室町時代後期造営の可能性もあるが、一部に後補材が認められ、江戸時代前期には現在の形態になったものと考えられる」(駒札より)そうです。1984年6月1日、京都市指定有形文化財に指定されています。
 
 
       蟇股は透かし彫りで極彩色です。

  本殿の南側面 
 本殿の北側面

 
本殿瑞垣の右側前に立つ石灯籠の竿の背面には、寛永20年(1643)の刻銘が読み取れます。

      
                            石段下の傍に立つ駒札

 
本殿の北側には、境内社がずらりと一列に配され、全体に覆屋が設けてあります。
 東端に三社
          左から稲荷社・山王社・夷(えびす)
  
       中央に位置する​春日社​(左)、その東隣は​竃社​(右)。
 
            ​弁財天社​(左)、春日社の西隣は​天満宮社​(右)。
 西端に愛宕神社が祀られています。

 
本殿の南側に権殿が祀られています。権殿とは「社殿を造営・修理する間、神体を仮に奉安する場所。仮殿」(「デジタル大辞泉」)を意味します。
  
        権殿の南東側に、護国社があります。

これで、境内地を一巡したことになります。

「西岩屋大明神」と呼ばれていたと記したこと及び、上掲由緒の案内板に、赤穂浪士の大石良雄が「当社奥の院岩屋神社に参篭して、・・・・」という記述があることの疑問から少し、ネット検索で調べてみました。
この山科には、近世に岩屋三社と呼ばれ、西岩屋・東岩屋・上岩屋という三社があったそうです。西岩屋が現山科神社です。上岩屋は現在では不明になっています。そして、東岩屋が現在の岩屋神社(山科区大宅中小路町)だそうです。(資料2,3)

石段を下り岩屋寺の山門前石段まで一旦戻り、今探訪の最終段階になります。

つづく

参照資料
1)『昭和京都名所圖會 洛南』 竹村俊則著 駸々堂 p323
2) ​由緒​ :「岩屋神社」 
3) ​岩屋神社 平成祭礼データ​ :「神奈備」

補遺
やましなを歩く西野山と大石良雄遺跡​ :「山科区」
  山科神社についての記載あり。
岩屋神社​ ホームページ
宮道弥益​  :ウィキペディア
宮道列子​  :ウィキペディア
宮道神社(京都市山科区)​ :「京都風光」

   ネットに情報を掲載された皆様に感謝!

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その節には、直接に検索してアクセスしてみてください。掲載時点の後のフォローは致しません。
その点、ご寛恕ください。)

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Last updated  2020.04.07 09:37:18
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