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遊心六中記

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2022.02.13
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カテゴリ:観照
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これも意図せぬ偶然のうれしい出会いです。
      
わかりやすい道筋でその位置奈良市大路町60番地の1)をまずご説明しましょう。
奈良県庁北側の東西の道路と国道369号線との交差点「登大路町」を横断して、東に進みます。道路は突き当たりで左(北)方向にカーブします。道路右側の築地塀ぞいに歩けば、この案内板が設置されています。案内板に庭園図が載っています。その先に冒頭の門が見えます。

まず、入園料が無料という案内に目がとまりました。奈良県立美術館や国道369号沿いは幾度か来ていますが、こちらの奥の道まで足を向けたことがありませんでした。

 
こちらは当日受付所でいただいたリーフレットから切り出した園内案合図です。

この場所には「興福寺古絵図」によれば興福寺子院「摩尼珠(まにしゅ)院」があったそうです。明治に民間の所有となり、平成元年(1989)4月1日より、「吉城(よしき)園」として、庭園鑑賞と茶会利用のために開園されたと言います。(資料1)
開園当初は入園料が必要だったそうですが、2020年4月より無料公開になっています。現在は奈良県が所有。(資料1,2)
 
門を入ると、目前に受付所があります。その右傍に順路標識が立ち、石段の小径です。
 
石段を上ると、すぐ左に割と急な石段道があり、頂上に「あずまや」が見えます。
このあずまやは池の庭全体から見れば、築山に相当する位置づけで、築山にあずまやが建っているというところです。自然の地形が巧みに利用されています。
 
  
東屋の天井には竹が使われています。竹の褪色が歳月を感じさせます。
 
 
あずまやから「池の庭」を見おろした景色です。
池の東側に「旧正法院家住宅」(吉城園)が見えます。この邸宅「吉城園」は正法院寛之という実業家により、大正8年に造られたと言います。正法院氏は、かつて東大寺の僧侶の家柄だったと推察されているそうです。(資料3)
平成23年3月、大正期の近代和風住宅として、奈良県有形文化財に指定されています。(資料1)
          
 
あずまやから南側の石段道を下ります。
 
振り返って石段道を撮ってみました。
 
               
池の北辺を回り込み、主屋側を拝見。砂利の庭に飛石が敷かれていて、建物の縁側に誘う小径が設けてあります。住宅は非公開。

                        旧正法院家住宅(吉城園)
 池の北辺側から眺めた景色
 
池の東側を順路にそって歩み、途中で振り返って、北西方向を眺めた景色
 池の西側の景色
 
庭園内の小径は、「苔の庭」への道(順路)と「離れ茶室」への道に分岐します。
 
まずは離れ茶室側に行きます。途中、池の庭の南西側への小径をまず探訪。

 
池の南辺側は深く切り込まれた渓谷の風情を漂わせて、南端に滝が設けてあります。
 
主屋の南側に回り込むとが建てられています。
この先で行き止まり
 
           
               池の南から北方向を眺めた景色
 
          
池の畔に、石灯籠の残闕(中台・火袋・笠)が置かれています。
火袋の一面には、楽しげな唐子が浮彫にされているような印象を受けます。
 
離れ茶屋への小径に進む前に見かけた「十三重塔」です。
石塔の背後に茶室の藁葺屋根が見えています。

離れ茶室のある場所は、池の庭より一段高い位置になります。
丘陵状の地形の起伏を巧みに取り入れた作庭が施されています。

つづく

参照資料
1) 当日、受付所でいただいた「吉城園」(園内案内)のリーフレット
2) ​吉城園​  :ウィキペディア
3) ​奈良の名庭園邸宅「吉城園」~近代和風と寺院様式の織りなす名建築~​ :「ABS朝日」


補遺
吉城川 ― Yoshiki-river ―​   :「奈良観光.jp」
奈良県景観資産-奈良公園内を流れる吉城川-​  :「奈良県」
奈良公園を流れる川 吉城川水系​  :「川を訪ねる旅」
吉城川の想い出(1)​ :「安達正興のハード@コラム」

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観照 奈良市 「吉城(よしき)園」3つの庭を楽しむ -2 離れ茶屋と苔の庭 へ
観照 奈良市 「吉城(よしき)園」3つの庭を楽しむ -3 茶花の庭と戻り道 へ





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Last updated  2022.02.18 11:14:48
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