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カテゴリ:観照
これも意図せぬ偶然のうれしい出会いです。 わかりやすい道筋でその位置(奈良市大路町60番地の1)をまずご説明しましょう。 奈良県庁北側の東西の道路と国道369号線との交差点「登大路町」を横断して、東に進みます。道路は突き当たりで左(北)方向にカーブします。道路右側の築地塀ぞいに歩けば、この案内板が設置されています。案内板に庭園図が載っています。その先に冒頭の門が見えます。 まず、入園料が無料という案内に目がとまりました。奈良県立美術館や国道369号沿いは幾度か来ていますが、こちらの奥の道まで足を向けたことがありませんでした。 こちらは当日受付所でいただいたリーフレットから切り出した園内案合図です。 この場所には「興福寺古絵図」によれば興福寺子院「摩尼珠(まにしゅ)院」があったそうです。明治に民間の所有となり、平成元年(1989)4月1日より、「吉城(よしき)園」として、庭園鑑賞と茶会利用のために開園されたと言います。(資料1) 開園当初は入園料が必要だったそうですが、2020年4月より無料公開になっています。現在は奈良県が所有。(資料1,2) 門を入ると、目前に受付所があります。その右傍に順路標識が立ち、石段の小径です。 石段を上ると、すぐ左に割と急な石段道があり、頂上に「あずまや」が見えます。 このあずまやは池の庭全体から見れば、築山に相当する位置づけで、築山にあずまやが建っているというところです。自然の地形が巧みに利用されています。 東屋の天井には竹が使われています。竹の褪色が歳月を感じさせます。 あずまやから「池の庭」を見おろした景色です。 池の東側に「旧正法院家住宅」(吉城園)が見えます。この邸宅「吉城園」は正法院寛之という実業家により、大正8年に造られたと言います。正法院氏は、かつて東大寺の僧侶の家柄だったと推察されているそうです。(資料3) 平成23年3月、大正期の近代和風住宅として、奈良県有形文化財に指定されています。(資料1) あずまやから南側の石段道を下ります。 振り返って石段道を撮ってみました。 池の北辺を回り込み、主屋側を拝見。砂利の庭に飛石が敷かれていて、建物の縁側に誘う小径が設けてあります。住宅は非公開。 旧正法院家住宅(吉城園) 池の北辺側から眺めた景色 池の東側を順路にそって歩み、途中で振り返って、北西方向を眺めた景色 池の西側の景色 庭園内の小径は、「苔の庭」への道(順路)と「離れ茶室」への道に分岐します。 まずは離れ茶室側に行きます。途中、池の庭の南西側への小径をまず探訪。 池の南辺側は深く切り込まれた渓谷の風情を漂わせて、南端に滝が設けてあります。 主屋の南側に回り込むと蔵が建てられています。 この先で行き止まり 池の南から北方向を眺めた景色 池の畔に、石灯籠の残闕(中台・火袋・笠)が置かれています。 火袋の一面には、楽しげな唐子が浮彫にされているような印象を受けます。 離れ茶屋への小径に進む前に見かけた「十三重塔」です。 石塔の背後に茶室の藁葺屋根が見えています。 離れ茶室のある場所は、池の庭より一段高い位置になります。 丘陵状の地形の起伏を巧みに取り入れた作庭が施されています。 つづく 参照資料 1) 当日、受付所でいただいた「吉城園」(園内案内)のリーフレット 2) 吉城園 :ウィキペディア 3) 奈良の名庭園邸宅「吉城園」~近代和風と寺院様式の織りなす名建築~ :「ABS朝日」 補遺 吉城川 ― Yoshiki-river ― :「奈良観光.jp」 奈良県景観資産-奈良公園内を流れる吉城川- :「奈良県」 奈良公園を流れる川 吉城川水系 :「川を訪ねる旅」 吉城川の想い出(1) :「安達正興のハード@コラム」 ネットに情報を掲載された皆様に感謝! (情報提供サイトへのリンクのアクセスがネット事情でいつか途切れるかもしれません その節には、直接に検索してアクセスしてみてください。掲載時点の後のフォローは致しません。 その点、ご寛恕ください。) 観照 奈良市 「吉城(よしき)園」3つの庭を楽しむ -2 離れ茶屋と苔の庭 へ 観照 奈良市 「吉城(よしき)園」3つの庭を楽しむ -3 茶花の庭と戻り道 へ お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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