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遊心六中記

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2022.07.14
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カテゴリ:観照 & 探訪
 
本堂を東側に回り込みますと、本堂の東面に添って観音石仏が一列に配置されています。
 
 
 
  
 
 


     
                   本堂の東面を北から眺めた景色


本堂の東側、石仏の傍に設置された案内板

 
     通路を挟み、東側に並ぶ観音石仏(北側からの眺め)
  石標の刻字を判読できません。
 
 
 


       
                      南側からの眺め

 南無阿弥陀仏かな?

 
     本堂の北面に回り込み、通路の途中で振り返った景色

本堂の北から西側に回り込みます。
 
三尊仏をレリーフした石仏が目に止まりました。
          
     三尊仏の続きに、本堂の西側に並ぶ観音石仏を北から眺めた景色

 
 
 
 
 
 

 
                 
          こちらには、「西国三十三所観音石仏」の石標が建てられています。 
 本堂を南西側から撮った景色
これで、観音石仏巡りは一応終わりです。

序でながら、私の頭の整理を兼ねた覚書をまとめておきたい所存です。
観音菩薩」は、正しくは「観世音菩薩」あるいは「観自在菩薩」と称されます。
『法華経』の「観世音菩薩普門品第二十五」では、「観世音菩薩」と表記されています。
一方、『般若心経』の冒頭は、「観自在菩薩 行深般若波羅密多時 照見五蘊皆空」から始まります。この「観自在菩薩」です。(資料1)

この観音菩薩は、六観音と称されるように、造像されるときには異なる形式で表現されます。ふつうに観音といえば、「​聖(しょう)観音​」です。そして、「如意輪観音」「十一面観音」「千手観音」「不空羂索観音」「馬頭観音」という姿でも表現されます。真言系では、不空羂索観音の代わりに「准胝観音」を加えて六観音と称されます。結果的に、七観音の姿で造像された仏像の形式を見ることになります。(資料1)

法隆寺の聖観音像には、夢違観音・救世観音・百済観音という愛称/通称で呼ばれる有名な仏像があります。

観音菩薩は勢至菩薩とともに、阿弥陀如来の脇侍となり、阿弥陀三尊像として目にすることが多い菩薩像です。

如来は衆生に対して悟りの法を説きます。一方、観音は衆生に現世利益の救済を施す存在と位置づけられています。それ故、観音菩薩が独自に信仰の対象となり、観音信仰が広まっていったのでしょう。

西国三十三所の札所の本尊は、これら七観音のいずれかが本尊として祀られています。 括弧内は通称と札所の番号です。(資料2,3)
  聖観音   :穴太寺(穴穂寺、菩提寺、21)、一乗寺(26)
         成相寺(成相さん、28)               計 3寺

  如意輪観音 :青岸渡寺(那智山寺、1)、龍蓋寺(岡寺、7)、石山寺(13)
         園城寺・観音堂(三井寺、14)、頂法寺(六角堂、18)
         圓教寺(西の比叡山、27)               計 6寺

  十一面観音 :金剛宝寺(紀三井寺、2)、長谷寺(初瀬寺、8)、六波羅密寺(17)
         観音寺(今熊野観音寺、15)、長命寺(31)
         華厳寺(たにぐみさん、33)             計 6寺

  千手観音  :粉河寺(3)、施福寺(槇尾寺、4)、葛井寺(藤井寺、5)、清水寺(16)
         南法華寺(壺坂寺、6)、三室戸寺(御室戸寺、10)、総持寺(22)
         正法寺(岩間寺、12)、行願寺(革堂、19)、勝尾寺(弥勒寺、23)
         清水寺(播州清水寺、清水さん、25)、観音正寺(仏法興隆寺、32)
         善峯寺(よしみねさん、20)、長命寺(31)      計 14寺 

  不空羂索観音:興福寺・南円堂(9)                 計 1寺

  馬頭観音  :松尾寺(まつのおさん、29)              計 1寺

  准胝観音  :醍醐寺 上醍醐・准胝堂(11)             計 1寺

まとめてみると、西国三十三所では、千手観音が一番数多く祀られています。
    
また、上記「観世音普門品」では、仏は無尽意菩薩に語ります。(資料4)
「・・・・若し国土ありて、衆生の、応に仏の身を以て度(すく)うことを得べき者には、観世音菩薩は即ち仏の身を現して、為に法を説くなり。」から始まり、衆生に応じて観音菩薩が変化して、衆生の前に現れる姿を列挙説明していきます。経典によれば、観音菩薩は三十三の化身に変化すると説いています。
瀬戸内寂聴さんは、それを整理して、自著に次のように記されています。
 「聖者の三身」「天界の六身」「五種の人身」「四衆の人身」「四種の婦女身」「童男童女の二身」「八部身」「一身」の三十三身です。相手によって、相手のわかる方法、相手に最も必要な姿に化身して現れて法を説くというのです。(資料5)

西国三十三所の三十三という数は、この三十三身に合わせた数のようです。

そして、この三十三身に付会、つまりこじつけて俗信の観音を列挙したのが「三十三観音」です。(資料6)
その中で、​白衣観音​が一番知られているのではないでしょうか。楊柳観音、龍頭観音、滝見観音、魚藍観音、水月観音などを仏像あるいは図像で目にしたことがあります。

次回は境内探訪のつづきをご紹介します。

つづく

参照資料
1)『図説 歴史散歩事典』 監修 井上光貞 山川出版社
2) ​西国三十三所巡礼の旅​  ホームページ
3) ​西国三十三所​  :ウィキペディア
4) 『法華経 下』 坂本幸男・岩本裕 訳注 岩波文庫 p252
5) 『寂聽 観音経 愛とは』 瀬戸内寂聴著  中公文庫
6) ​三十三観音​  :「コトバンク」

補遺
観音菩薩​  :ウィキペディア
聖観音菩薩​ :「MOA美術館」
聖観音立像​ :「奈良国立博物館」
大宝蔵院と百済観音堂​  :「法隆寺」
如意輪観音坐像​ :「e國寶」
十一面観音立像​ :「e國寶」
千手観音像​   :「e國寶」
東大寺不空羂索観音立像​  :ウィキペディア
目黒の馬頭観音​  :「目黒区」
秘仏・馬頭観音菩薩立像(大安寺)​ :「祈りの回廊」
准胝観音​  :ウィキペディア
霊山観音​  :「京都観光Navi」
魚藍観音​  :「五島の島たび」
全知全能感??美しすぎる仏像、水月観音像!​  :「ミライノシテン」
木造 観音菩薩坐像​ :「横須賀市」  ← 通称、滝見観音
楊柳観音​  :「大安寺」

  ネットに情報を掲載された皆様に感謝!

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Last updated  2022.07.16 15:36:39
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