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遊心六中記

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2023.02.07
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カテゴリ:観照
=== 2023.1.26 ===
 
8時10分頃に撮った南の空です。快晴でした。
南西方向の空 
 西方向の空 
 東方向の空
稜線の上に雲がたなびいていますが、いつもより明るさを感じました。
この日はなぜか、その後の撮影記録なし。何をしていたのだろう・・・・。

=== 2023.1.27 ===
 
10時半頃に撮った南の空
南西方向の空 
この日は一転して、朝のくもりから雨に。部屋の窓辺から撮れる方向だけでやめました。

===2023.1.28 ===
 
8時半頃に撮った南の空。天気は回復し、白雲が漂っています。
南西方向の空
 西方向の空
 東方向の空
グレーの雲が稜線に懸かっています。上空に青空が見えますが。

 
10時10分頃に撮った東方向の空。雲の姿がかなり変化。
 南の空
グレーの雲が空を占めるように変化していました。
南西方向の空 
                                                                    遠方には青空が見えます。
 西方向の空
こちらの方向も同様です。我が家近辺のエリアにグレーの雲が広がっていたということでしょう。
午後は写真を撮りませんでした。

さて、雲がたりのつづきです。
『新古今和歌集』巻第十三で抽出した歌の中から一読して歌意が理解しづらい歌を選び順次始めます。

 有明はおもひ出あれや横雲のただよはれつるしののめの空  西行法師 1193

「有明」は、まだ月が空に残っているいるうちに夜が明けること。その頃の夜明け。「や」は、詠嘆の終助詞。「ただよはれつる」のれは自発の助動詞。つるは完了の助動詞。この歌は巻第十三「恋歌三」に載っています。表の意味は横雲が漂っているということですが、起き出て別れるのがためらわれた、気がすすまなかったという意を込めているそうです。「しののめの空」は夜明けの空。
(月がまだ残る夜明けにはいろんな思い出があるよ。横雲が漂っているように、夜明けの空の別れに気が進まなかったことが)

 玉ぼこの道は遙かにあらねどもうたて雲居にまどふころかな 朱雀院御歌 1248

「女御のしもに侍りけるにつかはしける」という詞書が付いています。「しもに侍りける」は、局に下がっていたという意。
「玉ぼこの」は、道にかかる枕詞。実質的な意味はない。「うたて」は、ますますはなはだしく。格別に。「雲居」には宮中の意が含ませてあります。
(あなたと私の間の道のりは遙かにはなれているわけではないのに、ますます空に迷うかのように、宮中で遠くはなれ迷っている心地がするよ)

 思ひやる心は空にあるものをなどか雲居にあひ見ざるらむ 女御煕子女王 1249

「御返し」の詞書が付いています。第1248首とは『朱雀院御集』に贈答歌として載る歌dそうです。
「思ひやる」は思いをはせる。「などか」は、ドウシテ・・・カ。疑問の意。
(お上を恋しく思い上の空になっておりますのに、どうして空で、宮中でお逢いできないのでしょうか)

 いわざりき今来むまでの空の雲月日へだててもの思へとは 摂政太政大臣 1293

「今来むといひしばかりに長月の有明の月を待ち出づるかな」(古今・691・素性法師)を本歌とするそうです。また、この歌は、男の違約を恨む女の心という立場で詠んだ歌と解されているようです。
(あの人は言わなかった。すぐまた来ようとは言ったけれど、空の雲が月や日を隔てるように、長い月日を隔てるほど物思いせよとは)

 思ひ出でよ誰がかねごとの末ならむ昨日の雲のあとの山風 家隆朝臣 1294

「思ひ出でよ」は、思いだしてくれ。「かねごと」は、約束したことば。「末(すゑ)」は、結果。あげく。
(思い出してください。誰が約束したことの結果なのかを。昨日かかっていた雲を吹き払った山風のように・・・・。:あなたの約束は昨日吹き払われた雲のようにはかないものでしたね)

雲の変化に戻ります。
=== 2023.1.29 ===

9時10分頃に撮った南の空
南西方向の空 
  西方向の空

東方向の空にも雲らしきものはみえません。


11時過ぎの東方向の空。青空がすっきりし、大きな横雲が見えます。
 南の空
南西方向の空
  西方向の空


15時に撮った南の空
南西方向の空
 西方向の空 
 頭上の空
 東方向の空
雲の変化は激しい。

新古今の和歌を続けます。巻第十五「恋歌五」からです。

 雲のゐる遠山鳥のよそにてもありとし聞けば侘びつつぞぬる よみ人しらず 1370

「雲のゐる遠山鳥の」は「よそにても」の序。「雲のゐる」は、雲がかかる。山鳥は夜雌雄別れて寝ると言われるとか。新古今は第1371首に「晝(ひる)は来て夜はわかるる山鳥のかげ見るときぞ音は泣かれける」を採録しています。「ぬる」は、寝る。
(雲がかかっている遠山にいる山鳥のように、あの人とは遠く離れているけれど、無事であると知って、侘しく思いながらもひとり寝するわ)

 思ひやる心も空にしら雲の出で立つかたを知らせやはせぬ 兵部卿致平親王 1413

この歌には「女のほかへまかるをききて」という詞書が付いています。
「思ひやる心も空にしら雲の」は「いで立つ」の序。「しら雲」には「知らぬ」の意がかけられています。「やは」は、反語を表す係助詞。
(私があなたのことを遙かに思っていることも知らないで、遠くへ行くというその行く先をどうして私に知らせてくれないのか)

 初雁のはつかに聞きしことづても雲路に絶えてわぶる頃かな 西宮前左大臣 1417

「初雁の」は「はつかに」の枕詞。「はつかに」は、ほんのわずかだ。かろうじて。「わぶる」は、わびしく思う。雲路は雁の縁語。
(わずかにあった言伝も、とぎれてしまって、この頃私はわびしく思っているよ)

読み直していて、抽出した歌の第1295首と第1351首の間に、次の歌を見落としていたことに気づきました。補足します。

 さてもなほ問はれぬ秋のゆふは山雲吹く風も峯に見ゆらむ 藤原家隆朝臣 1316

この歌には「和歌所の歌合に、深山恋という事を」という詞書がついていて、題詠です。
「さても」は、それでもやはり。「問はれぬ」は、訪ねて来てくれない。「ゆふは山」は、所在不明の歌枕だそうです。「秋」に「飽き」、「ゆふは」に「夕」が重ねられ、「山」は己(女)の隠喩だとされます。
(あの人はそれでもやはりまだ訪ねて来てくれない。秋の夕にあの峰にかかる雲の動きで風が峰に吹き通っているのがみえるだろうに・・・・)

巻第十三「恋歌三」から巻第十五「恋歌五」までの抽出歌から9首とりあげました。

ふたたび、雲の変化に戻りましょう。
 東方向の空
16時45分頃に撮ってみました。
 南の空
ズームアップ!
南西方向の空
 西方向の空
29(日)は終日、良いお天気でした。午後は雲の写真を撮ってから散歩に出かけ、帰宅後にこの日最後の雲の変化の写真を撮ることになりました。

つづく

参照資料
*『新訂 新古今和歌集』 佐左木信綱校訂 岩波文庫
*『新古今和歌集』 日本古典文学大系28  岩波書店
*『新古今和歌集』 上・下 久保田淳訳註 角川ソフィア文庫
*『古今和歌集』 窪田章一郎校注 角川ソフィア文庫

補遺
朱雀天皇​  :ウィキペディア
煕子女王​  :「コトバンク」
致平親王​  :ウィキペディア
摂政太政大臣 ⇒ ​藤原良経​ :「コトバンク」
藤原家隆 (従二位) ​ :ウィキペディア

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Last updated  2023.02.07 18:40:26
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