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遊心六中記

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茲愉有人

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2023.09.29
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カテゴリ:観照
=== 2023.9.20 ===
 南の空
9時25分頃に撮りました。空は曇り。銀鼠色の平べったい雲が覆った空です。
南西方向の空 
 西方向の空 
 頭上の空
 東方向の空
空一面に、いずこも同じような空模様。経験からは雨が一番降りやすい状況です。

やはり、断続的に小雨が降りました
 東方向の空
17時15分頃に窓外を見ますと、雨が止んでいましたので、一通り撮ってみました。
 南の空
南西方向の空 
 西方向の空 
 頭上の空
午前中と大差のない空模様で、くもり時々雨の一日が過ぎました。

​=== 2023.9.21 ===​
 南の空
10時45分過ぎに撮りました。何時頃から雨が降っていたのかはわかりません。その雨が止んだ後でした。服を濡らさないように、ベランダの物干し竿の雨滴を拭き取って体を外に出し気味にして、三方向を撮ることにしました。
昨日の朝との違いは、くもり空に、一段と濃い素鼠色の雲も漂っていることです。
南西方向の空 
 西方向の空 
 頭上の空
素鼠色の雲が混じってくると、やはり不穏な雰囲気が感じられる雲行きです。
 東方向の空
稜線上空は銀鼠色の濃淡の雲が覆っているだけです。

 東方向の空
16時半頃に撮りました。一時的に雨が降る時がありましたが、この頃には雨が止んでいました。
 南の空
南西方向の空 
 西方向の空 
 頭上の空
朝と似た感じの空模様です。素鼠色の雲が稜線上空にも見られる変化が加わったのが違いでしょうか。
17時頃から、再び雨が降り始めました。



さて、雲がたりを続けます。
真民さんの全詩集第2巻の続きです。 (参照『坂村眞民全詩集 第二巻』大東出版社)
詩集「梨花」に移ります。この詩集は「序詩」と題する詩から始まります。

 花咲けば/ 共に眺めん  実熟せば/ 共に食べん  悲喜分かち/ 共に生きん

という短い詩。
この後「雲」を詠み込んだ詩が様々に数多く出てくる詩集です。
全詩あるいは詩句の引用でご紹介しましょう。自然の雲、暗喩の雲、自己投射の雲など、様々な使われ方で「雲」の一字が織り込まれています。雲は真民さんにとり、身近なものだったようです。

   雲と石

 動いてばかりいる雲が
 動かない石に言った
 石よ
 そんなに動かないでいると
 馬鹿になってしまいはせぬか
 思惟の作用が零(ゼロ)になって
 かちかちになってしまいはせぬか

 動かない石が
 動いてばかりいる雲に言った
 雲よ
 そんなに動いてばかりいると
 馬鹿になってしまいはせぬか
 思惟の作用が零になって
 からっぽになってしまいはせぬか          p88

 仏陀の実践した中道、龍樹の説いた中論を暗示しているのでしょうか。
 言葉の選択という点もふと思い浮かべました。『新明解国語辞典 第五版』(三省堂)を参照します。
 思惟 :<宗教・哲学などの根本的問題について>深く考えること。しゆい。
 思考 :冷静に論理をたどって考えること(頭の働き)。
 思索 :現象の持つ根本的意味や、現象と現象の関連などを、純粋に理論的に突きつ
     めて考えること。
 思念 :心に思うこと。考えること。
 思慮 :将来どうなるか、また、自分はどう行動したらいいか、についての判断(の力)
 思量 :あれこれと、比べ合わせて考えること。(多く、法曹関係の用語)
 熟思 :前後の事情や、いろいろな場合をよく考えること。
 言葉って興味深い・・・・。

   分身

 雲は
 わたしの息吹(イブキ)
 水は
 わたしの生御魂(イキミタマ)
 石は
 私の化身(ケシン)                 p89

この詩を読むと、雲、水、石に己自身の一側面・一要素を表象されています。
それはまた、己と自然との繋がりを踏まえているということなのかもしれません。

   何を土産に

 西行
 芭蕉
 杜甫
 李白
 何を土産に
 訪ね行こ
 雲も昔の雲ならず
 水も昔の水ならず
 詩集数巻編みしかど
 ただ悲しみの増すばかり           p90

この詩は、やはりその前に載る詩「分身」を重ねて読み込むことが必要なのでしょうね。
最後の一行は、この時点での真民さんが目指す詩境と現状の自己とのギャップを自己評価された心情の吐露でしょうか・・・・・。己を厳しく見つめる真民さん・・・・。


雲の変化に戻ります。
=== 2023.9.22 ===
 南の空
9時5分過ぎに撮りました。連続で曇り一時雨という天気が続いています
この日も曇り空からの始まりです。濃いめの雲が続きます。
南西方向の空 
 西方向の空 
 頭上の空
 東方向の空
稜線上空もまた、素鼠色がまさった雲が覆い被さっています。

 東方向の空
16時20分過ぎに眺めると、濃い雲は消え去り、銀鼠色の比較的穏やかそうな横雲の広がりに変化していました。上空側が濃い色合いです。
 南の空
南西方向の空 
 西方向の空    
 頭上の空

 南の空
17時35分過ぎにも撮ってみました。曇り空のままで過ぎる一日になりました。
南西方向の空 
 西方向の空 
 頭上の空
 東方向の空
稜線際が明るくて、上空に移る程に灰色の色調が濃くなるグラデーションがなかなかいい曇り空です。

つづく

補遺
中道​   :「コトバンク」
龍樹​   :「コトバンク」
龍樹​   :ウィキペディア
龍樹​   :「真宗の本棚」
龍樹と空(中観​)   :「広済寺」
中論​  :「コトバンク」

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こちらもご覧いただけるとうれしいです。
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Last updated  2023.09.29 13:31:50
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