観照 ベランダから見た雲の変化と雲がたり -91
=== 2023.10.1 === 南の空神無月(カンナヅキ)朔日。昨夜半から激しい雨が降り続きました。起きると、その雨が止んでいたとはいえ曇り空での一日の始まりでした。15時10分頃に撮ったのですが、この空もよう。右下に素鼠色の雲、左半分に銀鼠色の雲、右上端に白鼠色の雲が重なって見えます。南西方向の空 西方向の空 頭上の空 東方向の空同じ曇空でも、稜線上の布を広げたような雲の方が明るさがあります。余談です。神無月は旧暦で10月を表す雅語。「俗に、日本じゅうの神々が出雲に集まるといわれる」(『新明解国語辞典』三省堂)ので、神無だとか。ならば出雲地方では? そう「神在月」と呼ばれると言います。出雲大社では、旧暦に合わせて「神在祭」という伝統行事が行われるそうです。現在では、11月にこの行事が執り行われています。(資料1)一方、例えば、上賀茂神社(賀茂別雷神社)の「恒例祭典」のページを見ますと、旧暦呼称と現在の暦月を併記されています。神無月10月という結びつけは使われています。伏見稲荷大社では、現在の暦月だけの表記です。これらは、あくまで一例ですが。(資料2,3)戻ります。 東方向の空17時頃に稜線上空を眺めますと、雲がわかりやすい形に変化しているものの、曇った状態なのはそのままです。 南の空南に目を転じると、ところどころに青空が見られるようになっていました。南西方向の空 西方向の空 頭上の空総じていえば、天気はくもりの一日になりました。=== 2023.10.2 === 南の空 7時50分過ぎに撮りました。秋の雲がただよう空で、晴れ。南西方向の空 西方向の空 うろこ雲がみられます。 頭上の空 東方向の空稜線上空は曇り空で、白雲の横雲も漂っています。その上には、灰色の雲の向こうの太陽の光が反映しているのでしょうか。おぼろげに円形が浮かびあがっているようです。 東方向の空9時20分過ぎの稜線際とさらに上空に銀鼠の横雲が漂っています。白鼠の雲とが併存しています。 南の空南西方向の空 筋雲状の雲の見られます。 西方向の空 頭上の空天気予報は晴れです。この後、二条城の探訪に出かけました。二条城細見としてその記録を先日より、まとめ始めています。そちらもご覧いただけるとうれしいです。 南の空探訪からの帰宅後、17時50分過ぎに撮りました。雲の姿はかなり変化しています。南西方向の空 夕陽がかすかに映えて、淡いピンク色をおびた雲が見えます。ズームアップして 西方向の空 頭上の空 東方向の空総じて晴れの一日。ウォーキングを兼ねた探訪日和りの一日でした。さて、雲がたりを続けます。真民さんの全詩集第2巻に収録されている詩集「朴」の続きです。 (参照『坂村眞民全詩集 第二巻』大東出版社)「道」と題する詩に雲が詠み込まれています。この詩も全文引用します。 p139 空也一遍の道 ちかくは 放哉山頭火の道 いつのころからか わたしもこの道を 歩いていた 生まれた処もまだ知らぬ だからどこで死ぬか それもわからぬ 雲のように水のように 行方を知らぬのが わたしの一生だろう空也、一遍、山頭火という先人の道の文脈の中で、「雲のように水のように」の詩句が大きな意味を持つように感じます。「佐代子バンザイ」と題する詩があります。娘の佐代子さんが神戸で成人式をあげる日に詠まれた詩です。最後の節に出てくる詩句です。 p151 流れる雲よ 父のこの喜びの声を 伝えてくれ と、詠み込まれています。ストレートに感情の発露を感じとれる詩句です。 一途一心 一途に生きているから 星が飛び 花が燃え 天地が躍動するのだ 雲が叫び 草が歌い 石が唸るのだ 一心に生きているから この手が合わされ 憎しみを 愛に変えることができるのだ 一途であれ 一心であれ p156真民さんご自身が、詩作一筋の生き様に対し、己へのエールとして声高らかに詠まれた詩と受け止めました。それが、この詩の読者には、読者自身の生き方に対するこだまとして跳ね返り、そして、読者へのエールにつながって行くのではないでしょうか。「一途であれ/ 一心であれ」と。この後、40の詩を挟み、「愚かなる身を」と題する詩に、雲が現れます。ここでの詩句も全文の中から切り取ると詩情は減じると思いますので、全文引用します。 p184 出ずる日に 何を願わん 沈む日に 何を望まん ただしずかに わが道を行き わが詩を作り 雲のごと 水のごと おのずからなる 生を送らん 石よいきどおるな 水よぐちをこぼすな よろこびに おぼるることなく かなしみに しずむことなく すべてを託して 一途に生きん 愚かなる身を ここに出てくる「雲のごと/ 水のごと」は、上掲の「道」と題した詩に出てくる「雲のように水のように」と同じ次元での心境を表象していると思います。さて、雲の変化に戻ります。=== 2023.10.3 === 南の空7時45分頃に撮りました。天気は晴れ。空のこの青さがいい! 日本の伝統色名では瑠璃色と称する色合いだと思います。南西方向の空 西方向の空 頭上の空 東方向の空南、西の方向は晴れていても、稜線上空が曇りというのは普段のよくあるパターン。厚めの横雲が層をなしています。 東方向の空9時10分近くに眺めますと、稜線上空の雲の姿は大きく変化していました。曇っているのは変わりません。 南の空うろこ雲が見えます。1時間半程の時間差で雲の姿は大きく変化しています。南西方向の空 西方向の空 頭上の空 南の空17時40分頃に撮りました。空模様は一転し、銀鼠の雲が空を覆う形に変化。南西方向の空 西方向の空 頭上の空 東方向の空空は全面的にくもりに変化。晴れのちくもりです。深夜から雨が降り出しました。つづく参照資料1) 神在祭 :「しまね観光ナビ」2) 恒例祭典 :「賀茂別雷神社」3) 祭礼と行事 :「伏見稲荷大社」補遺空也 :ウィキペディア空也 :「Web版 新纂 浄土宗大辞典」一遍上人のご生涯 :「時宗」(時宗宗務所)一遍 :「Web版 新纂 浄土宗大辞典」種田山頭火 :ウィキペディア種田山頭火について :「山頭火ふるさと館」坂村真民記念館 ホームページ 坂村真民について ネットに情報を掲載された皆様に感謝!(情報提供サイトへのリンクのアクセスがネット事情でいつか途切れるかもしれませんその節には、直接に検索してアクセスしてみてください。掲載時点の後のフォローは致しません。その点、ご寛恕ください。)こちらもご覧いただけるとうれしいです。 ベランダから見た雲の変化と雲がたり 掲載記事一覧表