テーマ:最近観た映画。(39183)
カテゴリ:遊女aosmeの「映画とドラマ」
会社の取引関連で安いチケットが手に入り、久しぶりに新宿の新しいミニシアターで見てきました。
大正時代の女達の生き方の中で自由恋愛と職業婦人というテーマは最も新しく、刺激的なテーマであった。「青鞜」に代表される新しい女性達に憧れる女学生達。明子と清子もそんな女学生時代を送っていた。明子は天真爛漫な良家の子女。対する清子は、母親が年下の男と駆け落ちをしたこともあり、陰のある、内向的な性格。数年経ち、明子は実業家の磐崎家に嫁ぎ、幸せな生活を送っていた。優しい夫のもと何の不自由もない明子はふとした事から女学生時代の同級生に会い、清子の不幸な消息を聞いた。妾の存在に耐えられずに家に戻っていた清子を哀れに思い、夫の優一朗に頼んで、磐崎家の事務員となる手はずを整える。あまりにみすぼらしい野良妓姿の清子の姿を見て、これではかわいそうだと思い、幼い明子は、清子の気持ちも考えずに自分の着物を持って、清子に面接の時に着てくるようにあてがう。清子にはあまりの境遇の差に明子を恨む気持ちも生まれるが、気合を入れ化粧をし、明子の用意した着物を着て面接へ出かける。明子とは違った知的な雰囲気を持つ清子に優一朗は出逢ったその時から強く惹かれる。2人をどちらも愛することになる優一朗。しかし、清子が身篭ったことにより、子供の出来なかった明子との関係はまったく違うものになっていく・・・。 新しい女性達の生き方に対して、限りなく理解と援助を厭わない優一朗。2人のまったく違うタイプの女達は様々な女としての葛藤を経て、最終的にはそれぞれ自分らしい生き方を選択し、自立を果たしていくことになる。 女達の結婚と仕事、そして自由恋愛を選択した時に、1人の男が2人の女性を愛することになる。その時に生じる愛と葛藤と嫉妬。自由恋愛だった関係が、結婚となり家に嫁ぐとなったとたん自由ではなくなってしまうという矛盾のなかで、どのように女達は生きていくのか。今よりまだまだ女性の生き方の選択肢がなかった時代だからこそ、女性達は自らの生きる道を命がけで生きているように感じるのです。その分、自由を勝ち取っていく喜びもひとしおでしょう。女性達は自らの生き方のなかで、自分を表現し、自分の道を体当たりで探して行くのです。なかなか飽きずに楽しく見ることができました。 大正ロマンの着物や髪型もなかなか素敵ですが、2人の着こなしが、少し野暮ったい感じがして、ちょっと残念でした。いい女は、男によって育てられるし、いい男は限りなく女というものがどのような存在であるのかを知り尽くしていると納得した映画です。遊女asomeもいい男と自由恋愛したいものです。 監督 原田眞人 出演 豊川悦史 長谷川京子 木村佳乃 新宿K's cinema にて上映中 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
[遊女aosmeの「映画とドラマ」] カテゴリの最新記事
|
|