○●●遊女asome●●○

2006/06/19(月)22:03

いま、生きる力    岡本敏子著  青春文庫

「ジェンダーと哲学」の本(67)

岡本太郎さんの公私ともにパートナーであった岡本敏子さんの強烈なエッセイです。 「敏子は、本当のことしか言わないからいいよ」という岡本太郎さんの言葉、総てを言いえていますね。言葉がほんとうに一つ一つちゃんと入ってきて、しかも威力があります。 経験からつむぎだされた言葉なんですね。 一番魅かれたのが、やはり「究極の優しさは、相手にいのちを預けること」という章です。女性としてあまりに見事です。敏子さんは、岡本太郎さんの孤愁について「ふと見る眼が、なんともいえず寂しそうなときがある。女なら抱きしめて、胸の谷間に、あるいは子宮のなかに押し込んで暖めてやりたくなるような。放ってはおけない気にさせる眼だ。」(芸術派爆発だ!岡本太郎痛快語録 小学館文庫)と書いたそうです。しかも敏子さんは総ての男の人に切なさを感じるとおっしゃいます。男性からすると、きっと非常に魅力的な女性に違いないですね。 文章のそこかしこから、二人の愛、命のエネルギーが伝わってくるそんなエッセイです。 日本にこのような素敵なカップルが存在したとはさすがですね。いい男はには必ずいい女がそばにいて、その互いの命の働きでさらにお互い輝くんですね。何事にも捕らわれず、自由に生きた太郎さんと敏子さん。二人の創造的な愛の関係がジーンと伝わってきて、心も体も心地よい、そんなエッセイです。 元気をいただく本、ぜひ読んでみてください!

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